前のページ 次のページ

第3節 

1 公立学校に対する助成

 昭和42年2月、文部省は全国の公立学校について、公害による被害状況についてアンケート形式により調査を実施した。その結果、公害により学習活動になんらかの障害を生じていると報告さたれ学校は、1,947校であり、全国の公立学校数の4.4%に相当していることが判明した(第3-10-6表参照)。
 また、公害の原因としては、その70%が騒音によるものであり、大気汚染14%、その他の公害と騒音、大気汚染との複合した原因によるものが16%である(第3-10-7表参照)。
 公害は地域全般の問題であり、根本的には発生源を除去することが重要であるが、現実の問題としては、公害を受けている学校について、教育活動を円滑に行ない、児童生徒の健康と安全を守るため、地域における法的規制などの公害対策とともに学校独自の対策を講ずる必要がある。
 このため43年度予算から、騒音(航空機騒音を除く)大気汚染等の公害により、教育環境上著しく不適当な公立学校建物について「公害等不適格建物改築(防止工事を含む)事業」として国庫補助(補助率1/3)を実施しており、44年度予算額は2億900万円である(第3-10-8表参照)。
 補助する公害防止事業の内容は、次のようなものである。
(1) 騒音については、二重窓、壁遮音、天井吸音、動力喚起装置等の防音工事および必要に応じてひき家移転、あるいは木造建物を鉄筋コンクリート造りに改築(移転改築を含む)する。


(2) 大気汚染については窓、扉等の気密化を行ない、これに伴って空気浄化装置等の防止工事および必要に応じて木造校舎を鉄筋コンクリート造りに改築(移転改築を含む)する。
 44年度は公害による被害校のうち、とくに緊急に措置する必要のある東京、大阪、兵庫等11都道府県の25市町(特別区を含む)34校について、公害防止工事(改築を含む)の国庫補助を実施した。
 なお、基地(飛行場、射撃場)周辺の学校については防衛施設庁において、公共用飛行場周辺の学校については運輸省において、それぞれ騒音防止工事に対する国庫補助を実施している。

前のページ 次のページ