地盤沈下を防止するためには、一方で工業用井戸の新設を禁止するとともに、地下水の代替水源としての工業用水道を建設し、水源転換を円滑かつすみやかに行なっていくことが必要である。このような観点から、政府においては、昭和31年度より、地盤沈下の防止を目的として建設される工業用水道事業に対して建設補助金を交付し、建設の促進を図ってきており、44年度末現在で、25の工業用水道が完成または建設中である。その概要は第3-7-3表に示すとおりである。43年度までに総事業費818億6,900万円に対して、193億3,400万円の補助金が交付され、44年度においては葛南(千葉県)、埼玉中央第一、城北(東京都)、大阪府第3期および第4期の各事業に対して、6億3,000万円の補助金を交付し、23億5,500万円の建設事業を推進した。このうち、大阪府第3期および第4期の工業用水道は44年度をもって建設を完了し、大阪府北摂地域および東部地域に給水を行なっており、工業用水道への水源転換が進められつつある。