1 自動車騒音対策

　自動車の運行に伴う騒音の防止については、現在、道路運送車両法に基づく保安基準および道路交通法により規制が行なわれている。
　保安基準によると、毎時35kmの速度で走行する場合に、車両中心線上から7m離れた位置における騒音(走行騒音)と原動機が最高回転数の60％の回転数で、無負荷運転されている場合に排気管から後方へ20m離れた位置における騒音(排気騒音)はそれぞれ85ホンをこえてはならないことになっている。
　また、警音器音は自動車の前方2mの位置で90〜115ホンをこえてはならない旨規定されている。
　これらの規定を担保するため、新型式車の場合には、型式審査の際に騒音について厳重なテストを実施しており、実際には第3-6-3表のように規定値をかなり下回るように指導している。
　しかし、最近故意に騒音を発生させるマフラー等を使用している者も見受けられるので、その取り締まりを強化している。
　また、現に使用されている自動車については、国が実施している車両検査の際にチェックするとともに、自動車使用者に対して、定期点検整備を義務ずけ、備整不良に基因する騒音を防止することにしている。さらに、道路交通法においては、車両等の運転者に対し、法令の規定により警音器を鳴らさなければならない場合以外は、警音器を鳴らしてはならないことになっている。