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第2節 

3 河川の流況改善

 わが国の降雨は、梅雨期、台風期に集中しているため、年間を通じて河川の流量の変動が著しく、洪水として大きな水害をひん発させる反面、渇水時には、水利用上、水量および水質ともに問題を起こしている。
 このため、多目的ダムなどによって河川流量の調整を行ない、流況の改善を図ることは、水質保全上もきわめて重要である。建設省では、河川総合開発事業として、従来より多目的ダムの建設を行ない、河川の流況の改善に努めており、昭和43年度までに完成したダム事業は107事業である。
 44年度においては、第三次治水五か年計画の2年目として、その推進を図る立場から、多目的ダム建設を積極的に実施し、6事業を完成せしめるとともに、61事業の進ちょくを図っている。このうち、とくに水の不特定補給を行ない、積極的に流況の改善を図り、一般の利水者の取水の安全ならびに水質の保全を図るものは50事業である。
 (注)不特定補給とは、渇水時等における流況を改善し、流水の正常な機能の維持を図るため、ダムから河川流量の補給を行なうことをいう。

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