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第2節 

4 浮遊ふんじん

 浮遊ふんじんは、ハイボリウムおよびローボリウム・エアサンプラならびにデジタルふんじん計により重量濃度で測定される方法と、テープエアサンプラを用い濃度指数を求める方法とがある。
 ハイボリウムまたはローボリウム・エアサンプラによる測定は、単に浮遊ふんじん総量を測定するだけでなく、その成分として有機物質、硫酸イオン、硝酸イオン、各種金属等をも測定しうる利点がある。これらの測定は、常時自動測定ができないのでデジタルふんじん計やテープエアサンプラとの併用によって監視測定が行なわれている。
 厚生省が設置している国設大気汚染測定網7測定点の43年度におけるハイボリウム・エアサンプラによる測定結果を第2-1-5表に示した。これによると、川崎、大阪の濃度が平均値でそれぞれ0.420mg/m
3
、0.297mg/m
3
となっており、また、札幌、東京、尼崎、宇部、北九州のいずれの測定点の平均濃度も、四日市地域等に指示された公害防止計画基本方針(第3部第3章公害防止計画参照)において示された浮遊ふんじんの目標値に比べ、やや高いことがわかる。
 浮遊ふんじん中の成分については第2-1-7表に示すとおり川崎、尼崎等の工業都市に鉄、マンガン、銅、ニッケルなどの重金属が他の都市に比べて多いことが分かるが、いずれも現段階ではとくに問題視するほどの濃度ではない。しかし、今後の濃度の推移を監視する必要がある。

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