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第2節 

2 一酸化炭素

 現在、都市の大気中に含まれる一酸化炭素(CO)は、大部分自動車排出ガスによるものである。現在の都市大気中の一酸化炭素の高濃度の汚染は、交通ひんぱんな道路や交差点の近くに見られるが、その汚染はだんだん広域化する傾向にある。
 第2-1-2表は、わが国のおもなる都市における自動車測定記録計(非分散型赤外分析計、NDIR)の測定成績を総括して示したものである。昭和43年の結果を見ると、各地点の年平均値は3.0〜6.7ppmの間にある。また、1時間値の最高は12〜55ppm、日平均値の最高は6.0〜19.3ppmの間にある。
 第2-1-1図は、厚生省が東京都内で常時測定している測定点のCO濃度の経年変化を示したものであるが、その全般的傾向としては、年々CO濃度が増加の状態を示している。
 (注)43年の大原町の濃度は、立体交差工事のため試料採取口が車道端から4km後方に移動したことと、工事のため甲州街道が片側通行になり、交通量が減少したので低い値を示している。
 これらの地点における汚染の時間別動向を見ると、第2-1-2図第2-1-3図に示すように交通量の動向とかなりよく関連している。
 東京都内の交差点周辺の一酸化炭素濃度を45年2月に設定された一酸化炭素の環境基準と比較してその適合度合を調べてみると、昭和43年は、第2-1-3表にみられるように、霞が関の地点で2.0%、板橋で1.4%、大原町で16.5%が不適合であった。

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