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第2節 

1 いおう酸化物

 いおう酸化物としては、二酸化いおう(SO2、亜硫酸ガスともいう)と三酸化いおう(SO3、無水硫酸ともいう)が問題となる。いおう酸化物は、主として重油の燃焼に伴って発生するものであり、エネルギー源を多く重油に依存するわが国にあっては、近年最も注目され、また重点的に対策が講ぜられつつある大気汚染物質である。
 現在、わが国で広く使われているいおう酸化物の測定法を分類すると、1ヶ月を単位として結果が出る二酸化鉛(Pbo2)法と、1時間を単位として結果が出る導電率法(自動測定記録計法)の二つに大別されるが、昭和44年2月にいおう酸化物に係る環境基準が設定された際に、専門委員会の報告に基づき、導電率法による測定値を用いることになり、その方法による自動測定記録計の整備が急がれている。
 Pbo2法は比較的長い歴史を有し、簡便であるので、汚染の経年変化を調べ、あるいはきめ細やかなネットの多数の測定点により、詳細に地域の汚染の分布を調べるのに適している。
 (注) 導電率法と二酸化鉛法はその測定原理が異なり、測定の単位も、前者がppm(100万分の1)、後者はmg・SO3/100cm2/日となっているが、これらの測定値の間にほぼ一定の比例関係が認められている。
 なお、43年度においては、導電率法の測定点172か所におけるいおう酸化物に係る環境基準の適合状態を見ると、第2-1-1表のとおりであり、不適合の率は約37%(42年度44%)に達している。

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