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第1節 

2 開発整備地域等事前調査

 本調査は、新産業都市、工業整備特別地域等開発整備地域における大気汚染、気象等の環境条件をは握し、新規企業立地または増設に伴って生ずる公害を未然に防止することを目的としている。 
 本調査は、昭和40年度から実施されており、43年度までに16地区について調査が実施されている。
 調査は、大気拡散調査と環境大気調査に区別される。
(1) 大気拡散調査
 この調査は、エアトレーサ(螢光粒子)を大中規模の煙源またはヘリコプターを利用して大気中に散布し、各種気象条件下における拡散現象を測定、解析することにより、大気汚染物質の拡散の範囲、および濃度分布等をは握し、調査地区における今後の大気汚染防止対策に資することを目的とするものであり、その内容は原則として、エアトレーサーシステムによる螢光粒子の散布実験、局地気象の調査、有効煙突高の測定、測定調査結果の解析および評価からなっている。
(2) 環境大気調査
 この調査、調査地区気象観測およびいおう酸化物、浮遊ふんじん等の大気汚染物質の測定を行ない、大気汚染の実態をは握するとともに、大気汚染防止対策に必要な資料を得ることを目的とするものであり、その調査内容は、原則として、いおう酸化物および浮遊ふんじん等の測定を行なう大気汚染調査と、気温、風向、風速の鉛直分布の観測を含めた立体調査とからなっている。
 大気拡散調査は、昭和41年度福島県小名浜地区、42年度茨城県鹿島地区、横浜市根岸地区、岡山県水島地区43年度大分県鶴崎地区、富山県高岡地区、和歌山県海南地区の計7地区について、発生源から約8km、主風向を軸にした扇形地に約100地点の測定点を設けた大規模な調査を実施した。
 環境大気調査は、40年度茨城県鹿島地区、千葉県市原地区、岡山県水島地区、大分県鶴崎地区、41年度福島県小名浜地区、名古屋市南部地区、大阪府堺泉北地区、兵庫県姫路地区、徳島県今切地区、追跡調査として岡山県水島地区、大分県鶴崎地区、42年度広島県福山・岡山県笠岡地区、福岡県大牟田・熊本県荒尾地区、追跡調査として福島県小名浜地区、千葉県市原地区、名古屋市南部地区、兵庫県姫路地区、徳島県今切地区、大分県鶴崎地区、43年度宮城県仙台・塩釜地区、山口県徳山南陽地区、福岡県北九州地区、追跡調査として千葉県市原地区、名古屋市南部地区、兵庫県姫路地区、福岡県大牟田・熊本県荒尾地区について実施している。
 

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