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第3節 

2 振動

 振動は騒音に伴って現われる場合が多い。振動の被害は、住居と工場の混在した地域で多発しており、日本の都市構造に起因した問題といえる。無秩序な都市膨張を是正するために適正な用途地域制を確立することが要求される。また、既設工場に対しては振動防止施設の整備、工場移転等の対策を実施すべきであろう。
 振動を発生源別に大別すると次のようになる。まず、工場の機械による振動(工場振動)の発生源としてはコンプレッサー、圧延機械、鍛造機械、プレス機械、シヤーリングマシン、合成樹脂加工機械等がある。また、建設工事に伴う振動(建設振動)としては、くい打ち作業、地盤改良工事、路盤補強工事、車両の運行、発破作業、鋼球による解体工事等である。このほか、交通機関の運行による振動(交通振動)としては、自動車や列車等の交通機関の運行がある。しかし、これによる被害は広範囲に存在するにもかかわらず常時被害にさらされているためある程度慣れがあること、発生源が移動しており対象を明確化できないことなどにより苦情や陳情数は少ない。

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