環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第3章>第2節 多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化

第2節 多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化

循環、脱炭素、自然共生の統合的アプローチに基づき、地域の循環資源を中心に、再生可能資源、ストック資源の活用、森里川海が生み出す自然的なつながり、資金循環や人口交流等による経済的なつながりを深めていく「地域循環共生圏」を実現します。

具体的には、各地域における既存のシステムや産業・技術、ひいては人的資源・社会関係資本を駆使しながら地域における資源利用効率の最大化を図るべく、各地域における資源循環領域の課題・機会の掘起し、事業化に向けた実現可能性調査の支援、優れた事例の全国的周知等を行い、例えば、排出事業者の廃棄物処理に関する責任や市町村の一般廃棄物処理に関する統括的責任が果たされることを前提に、リユース、リサイクル、廃棄物処理、農林水産業など多様な事業者の連携により循環資源、再生可能資源を地域でエネルギー活用を含めて循環利用し、これらを地域産業として確立させることで、地域コミュニティの再生、雇用の創出、地域経済の活性化等につなげます。

市町村等による一般廃棄物の適正処理・3Rの推進に向けた取組を支援するため、市町村の処理責任や一般廃棄物処理計画の適正な策定及び運用等について引き続き周知徹底を図ります。

上記の推進に当たって、地域の特性や循環資源の性質に応じて、狭い地域で循環させることが適切なものはなるべく狭い地域で循環させ、広域で循環させることが適切なものについては循環の環を広域化させること、地域の森里川海を保全し適度に手を加え維持管理することで生み出される再生可能資源を継続的に地域で活用していくことを考慮します。

「バイオマス活用推進基本計画」(2022年9月閣議決定)において、持続的に発展する経済社会や循環型社会の構築に向け、「みどりの食料システム戦略」に示された生産力の向上と持続性の両立を推進し、地域資源の最大限の活用を図ることとしています。また、地域の実情を踏まえた上で、使用したバイオマスを回収して再利用したり、副産物を活用したりするなど、限られた資源を有効かつ徹底的に使う多段階利用を推進します。