環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和4年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第3章>第7節 循環分野における基盤整備

第7節 循環分野における基盤整備

1 循環分野における情報の整備

「循環基本計画」の指標の更なる改善に向けた取組とともに、その裏付けとなるデータの改善・整備を並行して推進します。「第四次循環基本計画」において「今後の検討課題等」とされた事項等について、指標に関する検討会にて、引き続き検討します。また、各主体が循環型社会形成に向けた取組を自ら評価し、向上していくために、取組の成果を評価する手法や分かりやすく示す指標について検討します。

2 循環分野における技術開発、最新技術の活用と対応

デジタル技術・ICT・AI・リモートコントロール技術・ビッグデータの活用など高度な技術や新たなサービスの開発・導入や、災害廃棄物処理の円滑化・高効率化を推進するため、ITや最新技術を活用して、被災家屋の被害の推計手法の高度化を図ります。また、収集運搬と中間処理の効率化を実現し、更なるCO2排出削減を図るため、ICTを活用したごみ収集車が自動運転により作業員を追尾する実証を行います。

地域循環共生圏形成に資する廃棄物処理システムの構築に関する研究・技術開発、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環に関する研究・技術開発、社会構造の変化に対応した持続可能な廃棄物の適正処理の確保に関する研究・技術開発等の実施により、環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発を推進します。

3 循環分野における人材育成、普及啓発等

地域において資源循環を担う幅広い分野の総合的な人材の育成や主体間の連携を促進します。

国民に向けたアプローチとしては、「限りある資源を未来につなぐ。今、僕らにできること。」をキーメッセージとしたウェブサイト「Re-Style」からの情報発信、3R行動を促進する消費者キャンペーン「選ぼう!3Rキャンペーン」、「Re-Style FES!」イベント等を通じて、意識醸成や行動喚起を促進します。

環境省及び3R活動推進フォーラムは、2022年度に「第16回3R推進全国大会」を共催し、同イベントを通じて、3Rによる循環型社会づくりを推進するため、地方公共団体との連携体制を推進します。

産業廃棄物処理業における人材育成の方策について、業界団体等によるより実効的な研修や講習の実施など、職員の能力・知識の向上を一層推進するための取組について必要な検討を進めます。

海洋プラスチックごみの削減に向けプラスチックとの賢い付き合い方を全国的に推進する「プラスチック・スマート」の展開を通して、海洋プラスチックごみ汚染の実態の正しい理解を促しつつ、国民的気運を醸成し、幅広い関係主体の連携協同を促進します。