環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和4年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第2章>第8節 生物多様性及び生態系サービスの把握

第8節 生物多様性及び生態系サービスの把握

1 自然環境データの整備・提供・利活用の推進

生物多様性に関する科学的知見の充実を図るため、自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)やモニタリングサイト1000等の継続的な調査の実施やデータの解析、各主体間の連携によるデータの収集・提供・利活用等に係る情報基盤の整備を進めます。また、日本生物多様性情報イニシアチブ(データ提供拠点)である独立行政法人国立科学博物館及び大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所と連携しながら、生物多様性情報を地球規模生物多様性情報機構(GBIF)に提供します。

2 放射線による野生動植物への影響の把握

東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する放射線による自然生態系への影響を把握するため、野生動植物の試料採取及び放射能濃度の測定等による調査を実施します。また、調査研究報告会の開催等を通じて情報を集約し、関係機関及び各分野の専門家等との情報共有を図ります。

3 生物多様性及び生態系サービスの総合評価

最新の科学的知見等を踏まえて取りまとめられた「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3)」に関して、政策決定を支える客観的情報とするとともに、国民に分かりやすく伝えていきます。さらに、生物多様性及び生態系サービスの価値が行政や企業の意思決定及び行動に反映されるよう、その評価手法の検討を進めます。

4 生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)及び気候変動適応策(EbA)の推進

自然生態系を基盤とした気候変動への適応や防災・減災を進めるため、かつての氾濫原や湿地等の再生による流域全体での遊水機能等の強化に向けた「生態系機能ポテンシャルマップ」の作成を進めます。また、同マップの作成方法や活用方策等の技術的な情報をまとめた自治体職員向けの手引きを策定し、その情報発信に努めます。