環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第5章>第4節 化学物質に関する国際協力・国際協調の推進

第4節 化学物質に関する国際協力・国際協調の推進

化学物質のライフサイクル全体を通じた環境リスクの最小化を目指すための国際戦略であるSAICM(サイカム)終了後の2020年以降の枠組みに関する国際的な議論を積極的にリードし、2020年10月の次期枠組みの採択に向け貢献します。さらに10月以降は、次期枠組みを基に早急な次期枠組みの国内実施計画の策定を目指します。

水銀に関する水俣条約に関して、国内では水銀による環境の汚染の防止に関する法律(平成27年法律第42号)に基づき条約の規定を上回る措置を講じるとともに、途上国支援等を通じて条約の実施に貢献します。

POPs関係では、国内実施計画に沿って総合的な対策を推進するほか、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の有効性評価に資するモニタリング結果等必要な情報を確実に収集します。また、国内の優れた技術・経験の伝承と積上げを図りつつ、国際的な技術支援等に貢献します。

OECD等の国際的な枠組みの下、試験・評価手法の開発・国際調和、データの共有等を進めます。子供の健康への化学物質の影響の解明に係る国際協力を推進します。

アジア地域においては、化学物質による環境汚染や健康被害の防止を図るため、モニタリングネットワークや日中韓化学物質管理政策対話、化学物質対策能力向上促進講習等の様々な枠組みにより、我が国の経験と技術を踏まえた積極的な情報発信、国際共同作業、技術支援等を行い、化学物質の適正管理の推進、そのための制度・手法の調和及び協力体制の構築を進めます。