環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策>第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組>第1節 生物多様性の主流化に向けた取組の強化

第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組

第1節 生物多様性の主流化に向けた取組の強化

1 多様な主体の参画

国内のあらゆる主体の参画と連携を促進し、生物多様性の保全とその持続可能な利用の確保に取り組むため、多様な主体で構成される「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」を通じた各主体間のパートナーシップによる取組や、地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成22年法律第72号)に基づく地域連携保全活動に対する各種支援を行います。

2 生物多様性に配慮した企業活動の推進

生物多様性に係る事業活動に関する基礎的な情報や自然資本の考え方等を取りまとめたあらゆる業種・事業者向けの「生物多様性民間参画ガイドライン」の普及を図るとともに、表彰制度の活用や生物多様性に対する貢献・負荷・依存度の把握・評価に関する情報提供を行うなど、バリューチェーン全体での活動において事業者を支援し、事業者の生物多様性分野への参画を促します。また、環境報告ガイドラインにおける生物多様性に関する活動項目の拡充、企業活動優良事例の収集と公開等、生物多様性を主流化するための方策について検討を進めます。

3 自然とのふれあいの推進

「みどりの月間」等における自然とのふれあい関連行事の全国的な実施や各種情報の提供、自然公園指導員及びパークボランティアの人材の活用、由緒ある沿革と都市の貴重な自然環境を有する国民公園等の庭園としての質や施設の利便性を高めるための整備運営、都市公園等の身近な場所における環境教育・自然体験活動等に取り組みます。

国立公園満喫プロジェクトについて引き続き2020年までに訪日外国人の国立公園利用者を1,000万人とすることを目指し、先行的、集中的に取組を進める8つの国立公園を中心に、利用拠点の滞在環境の上質化や多言語解説の充実、ビジターセンター等の再整備や機能充実、ツアー・プログラムの充実、質の高いガイド等の人材育成、利用者負担による公園管理の仕組みの導入、海外プロモーションの実施等の取組を進めます。同時に、単に利用者数を増やすことだけに注力するのではなく、「最大の魅力が自然そのもの」であり、その大前提の下で「高品質・高付加価値のインバウンド市場の創造」を図ることを念頭に置き、国立公園の本来の目的である「保護」と「利用」が地域において好循環を生み出し地域の活性化につながるよう、関係省庁や地方公共団体、観光関係者を始めとする企業、団体など、幅広い関係者との協働の下、取組を進めていきます。また、2020年が目標の最終年度であることから、取組成果や目標達成状況について評価するとともに、2021年以降の取組の方針について取りまとめを行います。また、貴重な自然資源である温泉の保護、適正利用及び温泉地の活性化を図ります。