環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第3章>第5節 万全な災害廃棄物処理体制の構築

第5節 万全な災害廃棄物処理体制の構築

平時から災害時における生活ごみやし尿に加え、災害廃棄物の処理を適正かつ円滑・迅速に実施するため、国、地方公共団体、研究・専門機関、民間事業者等の連携を促進するなど、引き続き、地方公共団体レベル、地域レベル、全国レベルで重層的に廃棄物処理システムの強靱化を進めるとともに、新たに必要な連携方策の検討等を進めます。

1 地方公共団体レベルでの災害廃棄物対策の加速化

地方公共団体における災害廃棄物処理計画の策定を推進するとともに、過去の災害廃棄処理経験に基づき、事業継続、受援体制の構築、リスク管理等の観点も含めた処理計画の点検・見直しに関してモデル事業等の支援を行います。また、地方公共団体における災害廃棄物分野の人材育成を促進するとともに、大規模災害発生時においても、生活環境の保全と衛生が保たれるよう、地方公共団体の災害対応拠点となり得る廃棄物処理施設の整備を支援します。

2 地域レベルでの災害廃棄物広域連携体制の構築

全国8つの地域ブロック協議会を継続的に運営し、都道府県域を越えた広域連携体制を構築、災害時の廃棄物処理体制を構築するため、災害廃棄物対策行動計画の見直しを行います。また、災害時に円滑に体制を構築するため、地域ブロック単位の共同訓練等を開催するとともに、自治体による災害対策が強化されるよう、情報共有や人材交流の場の設置、啓発セミナー等を実施します。

3 全国レベルでの災害廃棄物広域連携体制の構築

全国各地で発生した非常災害における災害廃棄物処理に関する実績を継続的に蓄積・検証し、災害廃棄物処理システムの更なる強靱化を推進します。蓄積した情報や教訓が地方公共団体や民間事業者等に有効に活用されるよう、災害廃棄物処理支援ネットワーク(以下「D.Waste-Net」という。)メンバーと連携して、情報プラットフォームを整備・運営します。さらに、ITや人工衛星等の最新技術の活用を含め、災害廃棄物処理事業の円滑化・高効率化を推進します。加えて、D.Waste-Netのリソースを最大限発揮できるよう、体制を強化するとともに、D.Waste-Netの平時の取組を充実させます。また、地域ブロック間での連携が円滑に実施できるよう、ブロック間の連携を行います。

港湾においては、海上輸送を活用した災害廃棄物の広域処理のスケールアップに向け、引き続き検討を行います。