環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成26年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第6章>第9節 原子力の安全の確保

第9節 原子力の安全の確保

 東京電力福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策については、政府が総力をあげて対策を実施することとなっており、具体的な対策の検討については、「廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議」で議論を進めます。

 東京電力福島第一原子力発電所の継続的な事故原因の究明に関し、中長期にわたる原子炉内の調査結果等も踏まえ、技術的な側面から分析を行います。さらに、総合モニタリング計画に沿って、関係府省が連携してきめ細かいモニタリングに取り組むとともに、国内外に対し、モニタリングの結果を積極的に分かりやすく情報提供します。

 原子力発電所や核燃料施設等の新規制基準への適合性審査については、事業者からの申請等に基づき、引き続き厳格かつ適切に行います。また、規制基準に常に最新の技術的知見が反映されるよう、原子力安全規制における課題を解決するための安全研究や国内外の運転経験の収集等を行います。

 原子力災害対策については、防災基本計画・原子力災害対策指針等を必要に応じて修正・改定するとともに、地域の防災対策の充実に向けた支援を継続します。また、自治体が行う防災訓練等に積極的に参加し、臨機応変に対応出来る対応力を充実させます。

 加えて、政策決定過程の透明化等を通じて、引き続き原子力規制行政の信頼確保に努めます。また、国際機関及び諸外国との連携・協力を進めるとともに、国際原子力機関(IAEA)の総合的規制評価サービス(IRRS)及び国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)の受入れ準備を進めます。さらに、原子力規制に係る専門的知見を有する人材育成のために、原子力規制委員会に設置した原子力安全人材育成センターにおいて、人材育成・研修制度の充実を図ります。また、新興国の海外規制機関技術者の研修等も行い、国際的な原子力安全の確保に寄与します。