環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成26年版 環境・循環型社会・生物多様性白書>刊行に当たって

刊行に当たって


刊行に当たって 環境大臣石原伸晃
環境大臣
環境大臣 石原伸晃


 東北地方太平洋沖地震の発生から3年3か月の月日が過ぎました。しかし、東日本大震災からの復旧、復興に向けた道のりはいまだ平坦ではありません。福島県内の災害廃棄物処理や中間貯蔵施設の整備などの課題に対して、政府一丸となって取り組んでいく必要があります。一方で、岩手県と宮城県の災害廃棄物の処理は昨年度中に終了し、国直轄で行う除染についても、昨年度中に終了した市町村があるなど、着実な成果も見えてきています。引き続き、復旧・復興に全力を尽くしていきます。


 昨年秋以降にIPCCが公表した一連の報告書では、人間の活動により地球温暖化が進行していることが改めて確認されました。地球温暖化は島しょ国をはじめとして国家の存亡に大きな影を落とす問題であり、まさに「今そこにある危機」と言えます。私たちは、次世代の人々のためにも、地球温暖化対策を一層強化していかなければなりません。また、生物多様性の保全や廃棄物の発生抑制などの喫緊の課題にも対応していかなければなりません。地球環境は人類生存の基盤となるものですが、時として人間の経済活動に伴う負荷が地球環境に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、環境保全と経済活動とを融合させることが重要であり、持続可能な環境と経済発展の同時達成を目指すグリーン経済を推進することで、これらの課題を解決していくことが必要です。


 本年の環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書は、このような視点から「我が国が歩むグリーン経済の道」をテーマとして掲げました。特に環境技術の開発を進め、これを国内外に展開することにより地球環境の保全に貢献する取組や、必要な環境対策の資金を金融メカニズムを通じて確保し、適切に投入していく環境金融の取組に焦点を当て、具体的な事例とともに紹介しています。


 本白書が、我が国におけるグリーン経済拡大の一助となれば幸いです。