環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成25年版 環境・循環型社会・生物多様性白書>統計から見る環境問題と経済社会

統計から見る環境問題と経済社会

1. 国内一次エネルギー総供給量の各エネルギー別推移(1990~2010)
1.国内一次エネルギー総供給量の各エネルギー別推移

 1990年度以降、2010年度まで国内の一次エネルギー総供給量はほぼ横ばいとなっています。構成としては石炭や天然ガスの割合が増加していることが分かります。再生可能エネルギーに関しては、2010年時点では、まだ広く普及しているとは言い難い状況です。


2. 国内最終エネルギー消費の推移(1990~2010)
2.国内最終エネルギー消費の推移

 最終エネルギー消費は、2010年度は1990年度と比べて増加しました。しかし、2度にわたる石油危機以降、技術開発支援や設備導入支援、自動車や家電製品等の「トップランナー方式」など、省エネルギーに官民一体となって取り組んできたことなどにより、省エネルギー技術の開発や機器のエネルギー消費の効率改善が進みました。


3. 世界における大気中のCO2濃度と人為的排出量の累計(1960~2010)
3.世界における大気中のCO2濃度と人為的排出量の累計

 人間活動による人為的二酸化炭素排出量の累計が増え続けることに伴って、大気中のCO2濃度も増加を続けており、1960年以降も大気中のCO2濃度及び人為的CO2排出量ともにほぼ一貫して増加しています。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば、1906年から2005年の間に世界平均地上気温は0.74℃上昇し、20世紀を通じて平均海面水位は17cm上昇しました。また、最近50年間の気温上昇の速度は、過去100年間のほぼ2倍に増大しており、気温上昇のほとんどは人為起源の温室効果ガス濃度の増加によってもたらされた可能性が非常に高いとされています。


4. 各国の硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)排出量の推移
4.各国の硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)排出量の推移

 硫黄酸化物、窒素酸化物については、いずれもアメリカが最大の排出国となっています。先進国ではおおむね排出量が減少していますが、オーストラリアやメキシコ、トルコ等で排出量が増加しています。2005年時点における日本の排出量は、SOxで世界第8位、NOxで世界第4位となっています。


5. 我が国の物質フロー指標の推移(1990~2010)
5.我が国の物質フロー指標の推移

 GDPを天然資源等投入量で割った資源生産性は、経済社会がいかに資源を効率的に利用しているかを示していますが、我が国は省資源の取組の進展により、着実に上昇しています。

 また、循環利用率は、リサイクルなど社会の中で資源が循環している割合を示していますが、1990年からの約20年の間に約8%弱から約15%へと進捗しています。廃棄物の最終処分量は、地方自治体・事業者・市民の取組によって、1990年から2010年までに大幅に削減しています。


6. 我が国の一人当たりゴミ排出量の推移(1985~2011)
6.我が国の一人当たりゴミ排出量の推移

 ごみの総排出量及び1人1日当たりの排出量は、経済成長に伴い昭和60年度前後から急激に増加し、平成2年度から平成12年度までは横ばいないし微増傾向が続いていますが、平成12年度以降はほぼ一貫して減少しています。また、総排出量については、ベースラインとしている平成9年度5,310万トンを7年連続で下まわりました。


7. 国内における容器包装の回収率
7.国内における容器包装の回収率

 我が国では、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づいて、分別収集や再商品化が進められています。ペットボトルの回収率は近年上昇しており、2008年以降は80%近くまで回収が進んでいます。また、家庭用の紙パックや発泡スチロールの我が国における流通量はほぼ横ばいですが、一方で回収リサイクルは進んでいます。

 平成23年度の飲料用紙パック出荷量は20.8万トンであり、そのうち一般家庭等で18.5万トン、自動販売機、飲食店等で1.2万トン、学校給食で1.2万トン消費されています。また、回収量は市町村回収、店頭回収、集団回収をあわせて5.6万トンとなっており、再生用途としては、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、板紙などとなっています。


8. 国内における家電リサイクルの状況(平成23年度)
8.国内における家電リサイクルの状況

 家庭用エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫及び洗濯機・衣類乾燥機の4品目については、リサイクルをする必要性が特に高いことから、平成13年4月に本格施行された特定家庭用機器再商品化法に基づき、特定家庭用機器廃棄物として規定され、製造業者等に一定の水準以上の再商品化が義務付けられています。

 平成23年度における製造業者等の再商品化率は、家庭用エアコン89%、ブラウン管式テレビ79%、液晶・プラズマ式テレビ83%、冷蔵庫・冷凍庫79%、洗濯機・衣類乾燥機87%であり、いずれも法定の基準を上回っています。

 資料:(財)家電製品協会「家電メーカー各社による家電リサイクル実績の公表について」


9. 環境ビジネスの業況DI(国内)
9.環境ビジネスの業況DI(国内)

 我が国の環境ビジネスの市場規模・雇用規模は、平成23年の市場規模が約82兆円、雇用規模が約227万人となっています。前年(平成22年)はそれぞれ約80兆円、約225万人と推計されており、市場規模、雇用規模ともに増加傾向が示唆され、世界的な金融危機後の回復基調が続いているものと考えられます。

 平成24年12月の環境経済観測調査結果によると、環境ビジネス実施企業の環境ビジネスに係る業況DI(※)は、前回の平成24年6月調査と比べ、ほぼ横ばいですが、他のビジネス実施企業も含めた調査対象全企業の業況DIとの比較では大きく上回り、好調さを維持しています。また、環境ビジネス業況の先行きについては、半年先、10年先ともに引き続き増加するとの見通しが維持されており、特に「地球温暖化対策」分野の業況DIが、全体を牽引していくと予測されています。

 ※DI:ディフュージョン・インデックスの略語で、「良い」と回答した割合-「悪い」と回答した割合を示す指数。単位は、%ポイント。