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生活環境項目

河川、湖沼、海域ごとに利用目的に応じた水域類型を設けてそれぞれ生活環境を保全する等の上で維持されることが望ましい基準値を定めている。


税制のグリーン化

環境への負荷の低減に資するための税制の見直し。


生態系サービス

人々が生態系から得ることのできる便益のことで、食料、水、木材、繊維、燃料などの「供給サービス」、気候の安定や水質の浄化などの「調整サービス」、レクリエーションや精神的な恩恵を与える「文化的サービス」、栄養塩の循環や土壌形成、光合成などの「基盤サービス」などがある。


生態系と生物多様性の経済学

The Economics of Ecosystems and Biodiversity(TEEB)。生態系と生物多様性のもたらす経済的価値への理解を深め、価値を適切に計算するための経済的ツールの提供を目指した研究。ドイツ銀行のエコノミスト スクデフ氏を研究リーダーとしてドイツ政府が中心となり実施。2008年の生物多様性条約COP9の閣僚級会合において中間報告が発表された。


生態系ネットワーク

将来にわたって生物多様性が確保される国土を実現するためには、保全すべき自然環境や優れた自然条件を有している地域を核としてこれらを有機的につなぐことにより、生息・生育空間のつながりや適切な配置を確保する必要がある。このような生態系のつながり(ネットワーク)のこと。


ネットワークの形成により、野生生物の生息・生育空間の確保の他、人と自然とのふれあいの場の提供、地球温暖化防止等多面的な機能が発揮されることが期待される。


政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画(政府の実行計画)

地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、平成14年7月19日に閣議決定し、17年4月28日に改訂。平成19年3月30日に新たな計画を閣議決定。庁舎等からの温室効果ガスの総排出量を平成13年度比で平成22年度から平成24年度までの総排出量の平均を少なくとも8%削減することを目標とすること等を定めている。


生物多様性基本法

生物多様性の保全及び持続可能な利用について基本原則を定め、国、地方公共団体、事業者、国民及び民間の団体の責務を明らかにするとともに、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の基本となる事項を規定した法律。生物多様性に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、生物多様性から得られる恵沢を将来にわたって享受できる自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的とする。


生物多様性インベントリー

その地域に生息・生育する動植物の種の目録・分布圏などをさす。


生物多様性国家戦略

生物多様性条約第6条に基づき、締約国が作成する生物多様性の保全及び持続可能な利用のための国家的な計画。日本では、平成7年に1次計画、平成14年に2次計画、平成19年に3次計画が策定された。なお、平成20年に施行された生物多様性基本法においても、政府の生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画として、生物多様性国家戦略の策定が規定された。


生物多様性情報インベントリー

生物種やその生息・生育地に係る様々な情報(生態、個体数分布、生息密度、生息環境等)を、生物多様性保全施策に貢献できる基盤情報として集約したもの。


生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム

日本全国の各所に分散している生物多様性に係わる多数の情報の所在を横断的に検索・把握するための情報源情報の検索システム。生物多様性条約では、「第17条 情報の交換」、「第18条 科学技術協力」で情報交換の重要性を掲げており、これを基に締約国等でCHM構築を進めている。日本では、環境省自然環境局生物多様性センターがCHMのナショナル・フォーカル・ポイントとして生物多様性条約事務局に登録されている。


生物多様性条約

生物の多様性に関する条約」参照。


生物の多様性に関する条約

生物の多様性に関する条約(平成5年条約9号)。生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的とする。1992年(平成4年)に採択され、1993年(平成5年)12月に発効した。日本は1993年(平成5年)5月に締結した。条約に基づき生物多様性国家戦略を策定し、これに基づく各種施策を実施している。


世界気象機関

世界の気象事業の調和的発展を目標とした国際計画の推進・調整を行うため、世界気象機関条約(1950年発効)に基づき設立されたもので、国連の専門機関の一つである。わが国は1953年に加盟。


世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約

世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(平成4年条約第7号)。文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする。1972年(昭和47年)に採択され、1975年(昭和50年)に発効した。わが国においては1992年(平成4年)に発効し、平成20年1月現在、11の文化遺産及び3つの自然遺産が登録されている。


セクター別アプローチ

温室効果ガスの削減量を決めるための一手法。産業、運輸、業務、家庭等の部門(セクター)ごとに、省エネ技術の普及状況などから、最も高効率の技術を導入した場合の温室効果ガス削減可能量を算出し、その量を合計して一国の排出削減目標とするもの。


絶滅危惧IA類

ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。


絶滅危惧IB類

IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。


絶滅危惧II類

絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。


絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全することを目的とした法律。


瀬戸内海環境保全特別措置法

瀬戸内海の環境の保全を図ることを目的として、瀬戸内海の環境の保全上有効な施策の実施を推進するための瀬戸内海環境保全基本計画の策定、特定施設の設置の規制、富栄養化による被害の発生の防止、自然海浜の保全、埋立ての基本方針等に関することを定めている。


ゼロ・エミッション

ある産業の製造工程から出る廃棄物を別の産業の原料として利用することにより、廃棄物の排出(エミッション)をゼロにする循環型産業システムの構築を目指すもの。国連大学が提唱し、企業や自治体で取組が進んでいる。


全球大気監視(GAW)計画

温室効果ガス、オゾン層、エーロゾル、酸性雨など地球環境に関わる大気成分について、地球規模で高精度に観測し、科学的な情報を提供することを目的に、世界気象機関(WMO)が1989年(平成元年)に開始した国際観測計画。


全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画

国際的な連携によって、衛星、地上、海洋観測等の地球観測システムを統合し、地球全体を対象とした包括的かつ持続的な地球観測システムを10年間で整備し、政策決定に必要な情報を創出することを目指す計画。2005年2月の第3回地球観測サミットにおいて策定。


戦略的環境アセスメント

個別の事業の計画、実施に枠組みを与えることになる計画(上位計画)や政策の策定や実施に環境配慮を組み込むため、これらの策定等の段階において、環境への影響を把握・評価し、環境への配慮が十分に行われることを確保するための手続。


戦略的環境アセスメント導入ガイドライン

環境省において、第三次環境基本計画に基づき、戦略的環境アセスメント総合研究会を設置して検討を進め、平成20年4月に戦略的環境アセスメント導入ガイドラインを取りまとめ、関係省及び都道府県・政令指定都市に通知したもの。上位計画のうち位置・規模等の検討段階のものについて、事業に先立つ早い段階で、著しい環境影響を把握し、複数案の環境的側面の比較評価及び環境配慮事項の整理を行い、計画の検討に反映させることにより、事業の実施による重大な環境影響の回避又は低減を図るための共通的な手続・評価方法等を示している。


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