第5節 地域における環境保全の推進

1 地域における環境保全の現状

(1)地方環境事務所における取組

 地域の行政・専門家・住民等と協働しながら、廃棄物・リサイクル対策、地球温暖化対策、国立公園の保護・管理、外来生物対策などに機動的できめ細かな対応を行い、地域の実情に応じた環境施策の展開に努めます。


(2)地方公共団体の環境保全対策

 地域の特性に応じたさまざまな施策に対して協力・支援を行います。また、地方公共団体の行う環境保全に資する事業については、地方債も含めた地方財政上の支援措置を講じます。

2 循環と共生を基調とした地域づくり

(1)持続可能な地域づくりに対する取組

 集約型・低炭素型の都市の構築など、環境負荷の小さいまちづくりの実現に向け、CO2削減シミュレーションを通じた計画策定や事業の実施を支援します。また、国民の個人資産を地域の環境保全などの社会的な事業に活用する市民出資・市民金融の取組を促進する方策を検討します。

 地球環境問題からリサイクル対策まで多岐にわたる地域の課題を視野に入れ、市民との協働を図りながら、環境の恵み豊かな、持続可能なまちづくりに取り組んでいる地域を対象に表彰を行う「循環・共生・参加まちづくり表彰」を引き続き実施します。

 先導型再開発緊急促進事業によって、省エネルギー化等を図った施設建築物を整備する市街地再開発事業等に対する支援を行います。

 先導的都市環境形成総合支援事業によって、地区・街区レベルの先導的な都市環境対策を推進する支援を行います。


(2)景観を保全・創造する地域づくりに対する取組

 河川と一体となったまちなみ景観の保全・創造のために、各地域において美しい水辺空間の創出を推進します。

 各地域における快適な環境を確保するべく文化財保護に係る各種制度を活用します。豊かな歴史的環境の確保・保全のため、史跡等の公有化及び整備・活用を推進します。また、地域における生活・生業や当該地域の風土によって形成された文化的景観を保存・活用するため、重要文化的景観の選定や文化的景観に係る調査、普及・啓発などの事業を進めます。宿場町や城下町等の伝統的建造物群及びこれと一体となって価値を形成している環境を保存するため、伝統的建造物群保存対策調査を実施します。重要伝統的建造物群保存地区において、伝統的建造物の保存修理、防災施設等の設置、建物や土地の公有化などの事業を進めます。

 また、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法に基づき指定された歴史的風土保存地域において、特に枢要な部分を構成している地域について、歴史的風土特別保存地区の指定や地方公共団体による土地の買入れ等を推進します。

3 公害防止計画

 平成20年度末で公害防止計画の計画期間が終了した地域について、環境質の改善状況及び施策の実施状況等を検証するとともに、今後の制度のあり方等を検討します。



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