第9節 自然とのふれあいの推進
1 自然解説活動及び健全なふれあい利用の推進
「みどりの月間」(4月15日~5月14日)、「自然に親しむ運動」(7月21日~8月20日)、「全国・自然歩道を歩こう月間」(10月)等を通じて、自然観察会等自然とふれあうための各種活動を実施します。また、従来の自然公園大会は名称と内容を変え、瀬戸内海国立公園六甲地域(神戸市ほか)において、「平成19年度自然公園ふれあい全国大会」として11月に開催します。
国立・国定公園の利用の適正化のため、自然公園指導員の研修を実施するとともに、利用者指導の充実を図ります。また、地方環境事務所等においてパークボランティアの養成及びその活動に対する支援を行います。さらに、自然解説活動における指導者育成のため、ビジターセンター等の職員の研修を実施します。
また、国立公園等において、自然保護官等の指導・協力の下、小中学生に「子どもパークレンジャー」として各種自然保護活動等を体験してもらうことにより、自然環境の大切さなどを学ぶ機会を提供します。
国有林野においては、森林教室、体験セミナー等を通じて、森林とのふれあいを楽しみながら理解を深める森林ふれあい推進事業等を実施します。また、学校等の体験学習の場として利用できる「遊々の森」や国民が中心となった森林の整備等の活動の場として利用できる「ふれあいの森」等の設定・活用を推進します。
教育関係機関と連携して子どもたちの森林体験活動を促進する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」を実施します。
国営公園においては、専門講師やボランティア等による自然ガイドツアーや、環境・自然をテーマとした体験活動型のイベント、プロジェクト・ワイルド等を活用した指導者の育成等、多様な環境教育プログラムを提供します。
2 利用のための施設の整備
国立・国定公園等において、自然環境の保全に配慮しつつ、自然とのふれあいを求める国民のニーズにこたえ、安全で快適な利用を推進するため、必要な施設を計画的に整備します。
(1)国立公園等の整備
国立公園の保護及び利用上重要な公園事業を国の直轄事業として着実に実施するため、引き続き山岳地域における登山道整備、自然再生事業、集団施設地区の景観形成、国立公園の利用の基幹となる施設整備を行うとともに、国立公園の重要な入口において国立公園に関する情報提供施設を整備します。また、新たに国指定鳥獣保護区における自然再生事業を実施します。
(2)国定公園等の整備
国と地方の協力の下、自然とのふれあいの場の整備や自然環境の保全・再生を推進するため、地方公共団体の行う国定公園の整備及び長距離自然歩道の整備等について自然環境整備交付金事業により支援します。
(3)森林の多様な利用の推進
保健保安林等を対象として防災機能、環境保全機能等の高度発揮を図る共生保安林整備事業を実施します。また、国民が自然に親しめる森林環境の整備を行う森林空間総合整備事業等を助成します。
また、森林環境教育、林業体験学習の場となる森林・施設の整備、学校林の整備・活用を行うモデル学校林の設定等を推進します。
さらに、森林総合利用施設等において、年齢や障害の有無にかかわらず多様な利用方法の選択肢を提供するユニバーサルデザイン手法の普及を図ります。
国有林野については、自然休養林等のレクリエーションの森において、民間活力をいかしつつ利用者のニーズに対応した森林及び施設の整備等を行うとともに、利用者にレクリエーションの森の整備等への協力を求める「森林環境整備事業」を推進します。また、スポーツ施設、保健休養施設等の総合的な整備により、人と森とのふれあいの場を創造するヒューマン・グリーン・プラン及び家族等が気軽に自然とふれあえる場を提供する「森林ふれあい基地づくり整備モデル事業」を推進します。
(4)独立行政法人国立青少年教育振興機構
(独)国立青少年教育振興機構の施設整備及び立地条件や各施設の特色をいかした自然体験活動等の事業の充実を図ります。
(5)海岸等のふれあい施設の整備
海と緑の豊かな海岸環境を確保する白砂青松の創出を実施し、また、生物の生息・繁殖場所となる砂浜、干潟等の保全や創出を行う「エコ・コースト事業」を実施します。
(6)河川等のふれあい施設の整備
河川の高水敷やダム周辺等を公園、緑地、運動場等に利用するための諸施設の整備を「水系環境整備事業」等により行います。カヌーポートや水辺の楽校等の整備により、水辺での活動を促進し、親水レクリエーションの促進を図ります。
3 エコツーリズムの推進
エコツーリズムのより一層の普及・定着を図るため、エコツーリズムに関する普及啓発、全国エコツーリズムセミナーの開催によるノウハウ確立、再チャレンジ関連施策としての人材育成などを総合的に実施します。
4 都市と農山漁村の交流
グリーン・ツーリズムの普及を図るため、関係各省と連携しつつ、都市住民の農山漁村情報に接する機会の拡大、都市と田舎の出会いの場の設定や地域資源を活用した交流拠点の整備、都市と農村の多様な主体が参加した取組等を総合的に推進します。
5 温泉の保護と利用
温泉法の運用に当たり、温泉源の保護と温泉の適正かつ効率的な利用の増進を図るため都道府県等に対し適切な助言を行います。また、温泉の公共的利用増進のため、保健、休養等に適した温泉地を国民保養温泉地に指定します。