2 循環と共生を基調とした地域づくり
(1)持続可能な地域づくりに関する取組
環境省では、平成16年度から、地域発の創意工夫と幅広い主体の参加によって、二酸化炭素排出削減等を通じた環境保全と、雇用創出等による地域経済の活性化を同時に実現する事業を支援する「環境と経済の好循環のまちモデル事業」を実施しています。
具体的には、環境と経済の好循環のまちづくりについて、地域の創意工夫によるアイディアを募集・選定し、平成16年度に選定した10か所に加え、17年度に新たに選定した10か所の地域において事業を実施しています(表7-4-3)。
環境省では、地球環境問題からリサイクル対策まで多岐にわたる地域の課題を視野に入れ、住民、企業等との協働を図りながら、環境の恵み豊かな、持続可能なまちづくりに取り組んでいる地域を対象に、大臣表彰を行っています。平成17年度「循環・共生・参加まちづくり表彰」においては、八戸市(青森県)、二ツ井町[現 能代市](秋田県)、館林市(群馬県)、練馬区(東京都)、氷見市(富山県)、名田庄村[現 おおい町](福井県)、上石津町[現 大垣市](岐阜県)、西宮市(兵庫県)の8団体を表彰しました。
省エネルギー化を図った施設建築物を整備する市街地再開発事業等に対し特別な助成を行う先導型再開発緊急促進事業にて支援を行いました。また、環境への負荷を低減するモデル性の高い住宅市街地の整備を推進する「環境共生住宅市街地モデル事業」にて支援を行いました。
(2)自然と共生する地域づくりに対する取組
ほ場整備による優良農地の確保、保全とあわせて地域の活性化のため、既存集落と一体的に生活環境を整備することにより、潤いのある田園居住空間を創造する「農村振興総合整備事業(田園居住空間整備)」を実施しました。農業用水や農業水利施設が持つ景観形成、親水、生態系の保全などの地域用水機能の発揮に配慮した整備を行うことにより、都市住民にも開かれた豊かで潤いのある水辺空間を創出する地域用水環境整備事業を実施しました。たい肥化施設等の計画的な活用により、農業集落排水汚泥等の有機性資源の循環利用の促進を図りました。生態系の保全等に資する農業用水路等を子どもたちの遊び場、自然体験の場として活用する「あぜ道とせせらぎ」づくり推進事業を、関係府省が連携して行いました。
(3)景観を保全・創造する地域づくりに対する取組
河川と一体になったまちなみ景観の保全・創造のために、美しい水辺空間を創出する「マイタウン・マイリバー整備事業」「ふるさとの川整備事業」等を各地域において推進しました。
(4)歴史的景観と調和する地域づくりに対する取組
豊かな歴史的環境の確保・保全のため、地方公共団体が行う史跡等の公有化や整備・活用などの事業に対して補助を行いました。
市町村が行う伝統的建造物群保存対策調査及び重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物の保存修理、防災施設等の設置、建物や土地の公有化などの事業に対して補助を行いました。また、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和41年法律第1号)に基づき指定された歴史的風土保存区域において、特に枢要な部分を構成している地域については、歴史的風土特別保存地区の指定や地方公共団体による土地の買入れ等を推進しました。さらに、文化財としての価値を有する土地改良施設の補修等を、その歴史的価値の保全に配慮しつつ行いました。