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第5節 

3 さらなる取組に向けて

 国は、これまで関係地方公共団体や関係団体とも協力しながら、健康被害の救済や地域の再生、情報の発信のための取組を試行錯誤しながら進めてきましたが、公式確認から50年を経てもなお、多数の者が公健法の認定を申請し、また、損害賠償請求訴訟を起こすなど多くの課題が残されています。これらの状況もあり、公式確認から50年を迎えるに当たり、第164回通常国会の衆参両院において、「水俣病公式確認50年に当たり、悲惨な公害を繰り返さないことを誓約する決議」がなされました。また、1)被害者の方々等の長きにわたる苦しみをお見舞いし、2)水俣病の被害の拡大を防止できなかったことをお詫びし、3)水俣病の経験を内外に広く伝え続けるとともに、水俣病の教訓をいかし、環境を守り安心して暮らしていける社会を実現すべく政府を挙げて取り組んでいくことを決意することを内容とする「水俣病公式確認50年に当たっての内閣総理大臣の談話」が発表されました。これからもこの国会決議や総理大臣の談話を踏まえ、すべての水俣病被害者を含む地域の住民が安心して暮らしていけるようにするため、水俣病被害者等の高齢化に対応した医療と地域福祉を連携させた取組を進めるほか、環境保全や地域のもやい直しの観点から、何が必要で有効かを模索しながら、施策の推進に努めていきます。また、水俣病のような問題を二度と起こさないためにも水俣病の経験及び教訓を引き続き国内外に発信し続けていきます。

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