2 環境技術の継承
(1)次世代への環境技術の継承
退職した技術者が中心となって、平成12年に(社)化学工業会に設立されたSCE・Net(シニア・ケミカル・エンジニアズ・ネットワーク)では、退職したベテラン技術者を経験別にデータベース化し、企業等の現場から寄せられた排水処理技術やISO9002やISO14001の取得に関する課題に対して指導・助言を行っています。また、大学の一般公開講座において、30〜40代を中心とした現役世代向けに、大気汚染、PRTR制度、地球温暖化対策などの環境分野の経験・技術について講義を行うほか、講義の内容をまとめた教材を作成し、現役時代に培った経験や技術を一般化する取組も進められています。
(2)開発途上国への技術移転
北九州市では、公害対策で培った技術や経験を、公害問題に直面する中国、インドネシア等の開発途上国の環境保全に役立てるため、公害対策に係る実績と経験を有する企業OB技術者を中心とした北九州環境国際人材バンク(EARTH)を設置し、人材の情報把握や国際協力に関するセミナー等を行い、国際協力専門家の能力向上を図っています。また、(独)国際協力機構(JICA)や(財)北九州国際技術協力協会などと協力しつつ、開発途上国からの国際研修員の受入れや、専門家の現地への派遣を行っています。