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第8節 

4 海岸・港湾・海洋

(1)港湾及び漁港・漁場における環境の整備
 漁港漁場整備長期計画に基づき、昭和50年代初頭の沿岸域の漁場環境を回復させることを目標として、「水産基盤整備事業」にて藻場・干潟の保全・創造等を行い、資源生産及び生息の場づくりを進めました。加えて、海洋の環境を改善するため漁港区域内の汚泥・ヘドロの除去覆砂等の整備を行う水域環境保全対策等を全国5地区で実施したほか、藻場・干潟の整備保全事業を支援するための地方財政措置を講じました。また、磯焼け海域における藻場の回復のモデル事業を17都道府県で実施しました。
 また、海水交換機能を有する防波堤等の整備、水産動植物の生息、繁殖が可能な護岸等の整備等を総合的に行う「自然調和活用型漁港漁場づくり推進事業」を全国47地区で実施しました。漁村の生活排水対策として漁業集落排水施設整備を全国121地区で実施するとともに、水産資源の回復に資する漁港施設整備について調査を行いました。
 環境と共生する港湾(エコポート)の形成を目標に、水質・底質を改善する汚泥しゅんせつや覆砂、干潟の創出、緑地の整備などを推進しました。平成16年度では、港湾における快適な親水空間を創出するため、横浜港等116港で緑地等を整備、尾道糸崎港等16港で干潟等の整備を行いました。また、歴史的港湾施設の保存、活用を図り周辺環境の整備を一体的に進める「歴史的港湾環境創造事業」や良好な港湾景観の形成を推進する「港湾景観形成モデル事業」を実施しました。なお、13年12月に都市再生プロジェクトとして決定された「臨海部における緑の拠点の形成」に位置付けられた、東京港中央防波堤内側、大阪湾堺臨海部、同尼崎臨海部での大規模緑地について、尼崎臨海部、堺臨海部で緑地の整備を、東京湾で大規模緑地開発に関する調査を行いました。さらに、自然環境の保全と調和を図りつつ快適な環境を創造する観点から、マリーナ等の整備を推進しています。

(2)海岸における環境の整備
 多様な海洋性レクリエーション需要の増大に伴う海浜利用の進展に対処するとともに、快適で潤いのある海岸環境の保全と創出を図るため、砂浜の保全・復元により生物の生育・生息地を確保しつつ、景観上もすぐれた人と海の自然のふれあいの場を整備する「海岸環境整備事業」を平成16年度は、全国176か所において実施しました。

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