日本は平成5年に「生物の多様性に関する条約」を締結し、7年に「生物多様性国家戦略」を定めました。14年3月には、「自然と共生する社会」を政府全体として実現することを目的とした「新・生物多様性国家戦略」が決定されました。
この「新・生物多様性国家戦略」については、関係省庁連絡会議で毎年実施状況を点検することとしており、平成16年度には、第2回目の点検を行いました。点検に当たっては、生物多様性に関する認識について国民に面接調査を行いました。この結果、自然環境に関心を持つ割合は高い一方で、「生物多様性」及び「新・生物多様性国家戦略」の認知度は低い実態が明らかになりました(図6-2-1)。これを踏まえ、点検の審議を行った中央環境審議会からは、生物多様性国家戦略の普及啓発にさらに取り組む必要性が指摘されました。このほか、地域でのさまざまな自然環境保全に対する取組が活発化していることに対して、専門家が関わる体制づくりや、人材育成の強化が必要なこと、また、地方公共団体の行う取組についても、その問題点や効果等を点検することの必要性が指摘されました(図6-2-2)。
fb2.6.2.2.gif:図6-2-2 生物多様性の3つの危機への対応状況