4 脱温暖化社会に挑戦する日本
大気中の温室効果ガス濃度の安定化という条約の究極の目的達成に向けて、世界は、今後、その排出量を長期的、継続的に削減していく必要があります。その中で、日本は率先して、温室効果ガスの排出が少ない社会、すなわち脱温暖化社会を構築していかなければなりません。
温室効果ガスの排出はあらゆる主体のあらゆる活動に関わっているため、その削減対策の選択肢はさまざまです。例えば、既存の技術で削減を図るよりも、将来、革新的技術が進展した後に急激に削減させる方が効率的という考え方があります。しかし、温暖化の進行に伴う被害や対策費の増加、技術開発の不確実性や技術普及の難しさなども考慮すれば、それだけに期待することはできません。一方で、生活の豊かさや利便性を制約して、人間活動が環境に大きな影響を与えていなかった時代に戻るかのような社会のあり方は、人々の理解を得ることができないでしょう。今、私たちは、あらゆる主体の参加によって、また多様な社会システムや制度を組み合わせて温暖化対策を進めていく必要があります
私たちが築くべき脱温暖化社会とは具体的にどのようなものなのか、長きにわたる挑戦の目指す先が、今、問われています。