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第4節 

1 森林

 森林の有する多面的な機能を持続的に発揮させるため、重視すべき機能に応じた森林の区分である水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林ごとにそれぞれの機能に応じた森林整備を推進するため、全国森林計画の策定等を行いました。
 また、持続可能な森林経営の推進及び地域森林計画等の樹立等に資するため、森林資源モニタリング調査を引き続き実施しました。
 林地開発許可制度の適正・円滑な運用を図るため、都道府県知事が行う許可処分及び連絡調整に必要な審査、監督等につき助言しました。
 保安林整備計画に基づき、特定保安林の指定を行い、保安林の適正な維持管理に努めました。保安林の指定面積は、平成14年度末で約984万haです。また、これら保安林の指定目的を達成するために、周辺の生態系に配慮しつつ、荒廃山地の復旧整備、機能の低位な森林の整備等を緊急かつ計画的に推進しました。
 森林・林業基本計画等に基づき、重視すべき機能に応じて森林を水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林に区分し、その機能が最大限に発揮されるような施策体系へと見直すとともに、間伐等の森林整備を適正に実施することなどにより、森林の有する多面的機能を持続的に発揮し得る多様な森林づくりを推進しました。
 「森林病害虫等防除法」(昭和25年法律第53号)等に基づき、松くい虫等の森林病害虫等の防除等を総合的に実施しました。保全管理水準の維持・向上を図るべき森林について、森林保全推進員等による森林パトロール等の保全管理活動、防火林道等の整備について助成するとともに、「全国山火事予防運動」の実施等啓発活動を推進しました。また森林ボランティア活動を推進するための事業、「緑と水の森林基金」を活用した森林資源の整備、利用等に関する総合的な調査研究、普及啓発等を推進しました。
 国有林野については、公益的機能の維持増進を旨とする管理経営方針の下で、林木だけでなく下層植生や動物相、表土の保全等森林生態系全般に着目した森林施業を行いました。
 身近な里山林や都市近郊林については、森林と人との共生林の整備に向けた条件整備、民間団体等を対象とする公募モデル事業や多様な利用活動の場となる「里山利用林」の設定、利用活動を通じてその保全・整備に寄与する「森林の育て親」の募集、里山林等を活用した健康づくりを行う「健康と癒しの森」推進モデル事業を実施しました。また、里地里山の代表的な生態系のタイプごとに、里地里山の保全と利用のあり方について検討を進めました。

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