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第2節 

1 化学物質の環境リスク評価の推進

 化学物質による人や生態系への影響を未然に防止するためには、多くの化学物質を対象に、その生産、使用、廃棄等の仕方に応じた人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすおそれ(環境リスク)の評価を行い、その結果に基づき適切な環境リスク対策を講じていく必要があります。
 このため、化学物質の環境リスク評価のための知見の収集を進めるとともに、平成14年度に環境リスク初期評価等について第2次取りまとめを行いました。この中では、環境リスク初期評価を13物質を対象として行ったほか、生態リスクについては69物質を選定して初期評価を行いました。また、発がん性評価の手順を検討しつつ試行的に評価を行い、6物質を対象とした定量的なリスク評価と19物質を対象とした定性的な評価を実施しました。
 その結果、発がん性については2物質、生態リスクについてはクロロホルム等22物質が、相対的にリスクが高い可能性があり「詳細な評価を行う候補」と判定されました。
 また、生態系に対する影響に関する知見を充実させるため、平成7年度から経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインを踏まえて藻類、ミジンコ及び魚類を用いた生態影響試験を実施しており、平成15年度は32物質について試験を行いました。

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