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第7節 

2 悪臭対策

(1)悪臭防止法による規制の実施
 悪臭対策については、「悪臭防止法」(昭和46年法律第91号)に基づき、工場・事業場から排出される悪臭原因物の規制等を実施しています。同法では、都道府県知事(指定都市、中核市、特例市及び特別区においてはその長)が規制地域の指定及び規制基準の設定を行うこととしており、平成14年度末現在、全国の55.8%に当たる1,804市区町村(639市、1,007町、135村、23特別区)で規制地域が指定されています。14年度は、同法に基づき、改善勧告が9件、改善命令が1件行われました。このほか、規制地域内の悪臭発生事業場に対して10,968件の行政指導が行われました。同法は、複合臭問題等への対策強化を目的として、人間の嗅覚に基づいた臭気指数規制を導入しており、15年度は、地方公共団体職員を対象とした講習会、嗅覚測定技術の研修等、地方公共団体における臭気指数規制の一層の導入促進に向けた取組を行いました。また、臭気指数等の測定を行う臭気測定業務従事者についての国家資格を認定する臭気判定士試験を実施しました。
 さらに、悪臭苦情の発生実態とその要因についての解析調査を行い、近年の苦情傾向に対応した効果的な対策のあり方を検討しています。

(2)悪臭防止技術の普及推進
 近年特に臭気対策の必要性が高まっている中小規模の事業場が導入可能な脱臭技術の開発・普及を促進するため、比較的安価で省スペース、かつ維持管理の容易な脱臭技術を募集し、その情報を紹介した「ひと目で分かる『脱臭装置』選択ガイド《2003飲食店版》」を作成しました。

(3)嗅覚測定法に関する海外動向調査
 国際的な嗅覚測定法の標準規格化の動きに対応するため、欧州と日本の測定法の比較検討調査や、諸外国における悪臭に関する法制度や臭気測定技術についての論文集の作成を行ったほか、諸外国の専門家との情報交換を目的とした「嗅覚測定法に関する国際シンポジウム」を開催しました。

(4)快適なにおい環境の創造
 身のまわりの不快なにおいを低減し、快適なにおい環境を創造しようとする地域の取組を支援するため、平成13年度に全国の優れたかおり風景として「かおり風景100選」を選定しました。15年度には、大分県別府市において「2003かおり風景フォーラムin別府」を開催し、認定地団体や市民等が参加しました。

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