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第1節 

4 粒子状物質

(1)問題の概要
 大気中の粒子状物質は「降下ばいじん」と「浮遊粉じん」に大別され、さらに浮遊粉じんは、環境基準の設定されている浮遊粒子状物質とそれ以外に区別されます。浮遊粒子状物質は微小なため大気中に長時間滞留し、肺や気管等に沈着して高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼします。浮遊粒子状物質には、発生源から直接大気中に放出される一次粒子と、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状物質が大気中で粒子状物質に変化する二次生成粒子があります。一次粒子の発生源には、工場等から排出されるばいじんやディーゼル排気粒子(DEP)等の人為的発生源と、黄砂や土壌の巻き上げ等の自然発生源があります。

(2)浮遊粒子状物質による大気汚染の状況
 平成14年度の浮遊粒子状物質に係る有効測定局数は、一般局731市町村1,538測定局、自排局225市町村359測定局でした。年平均値の平均値は、一般局0.027mg/m3、自排局0.035mg/m3で、図2-1-11に推移を示したとおり前年度に比べて改善し、近年ほぼ横ばいからゆるやかな減少傾向がみられます。



 長期的評価に基づく浮遊粒子状物質に係る環境基準の達成率の推移は図2-1-12のとおりであり、平成14年度は、一般局52.5%、自排局34.3%と前年度に比べていずれも低下しています。環境基準を達成していない測定局は全国42都府県に分布しています。


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