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第2節 

1 グリーン購入

 環境に配慮された製品やサービスを選択し、購入することを「グリーン購入」と、グリーン購入に取り組んでいる人を「グリーンコンシューマー」と呼びます。グリーン購入は、市場を通しての消費者からのアプローチであり、事業者に対し環境負荷低減への取組を働き掛けていこうとする行動であると同時に、環境対策等に積極的な事業者に対する支援ともなっています。

(1)グリーン購入の状況
  国等の各機関のグリーン購入は、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(平成12年法律第100号)で義務付けられ、取組が進められています。また、多くの都道府県・政令指定都市や大規模な事業者等でも組織を挙げてグリーン購入に取り組んでいます(図2-2-1)。



 一方で、個人のグリーン購入に対する意識について調査すると、物を買う時の環境配慮について肯定する人の割合は高くなっています(図2-2-2)。個人消費者が購入した環境配慮型製品としては、ボールペンなどの再生材料を使用したプラスチック製品、トイレットペーパーなどの衛生用紙、ノートなどの紙製の事務用品が上位を占めています(図2-2-3)。





 しかし、意識面とは裏腹に、一人ひとりのグリーン購入の実施状況は、ごみの分別やリサイクル、省エネ関係の環境配慮行動に比べて低くなっています(図2-2-4)。「循環型社会の形成に関する世論調査」(内閣府、平成13年度)によれば、グリーン購入を行う上で「支障を感じることはない」(36.4%)と答えた者がいる一方で、支障を感じる場面としては、「適切な情報が足りないため、判断できない場合」(25.9%)、「一般の製品より割高な場合」(16.5%)となっており、情報上の支障と経済上の支障が阻害要因となっています。




(2)グリーン購入促進のために
  グリーン購入を促進するためには、情報上の支障と経済上の支障を解決し、一人ひとりが行動するための条件を整えなければなりません。
 環境に配慮しているかどうかを判断するためには、製品の使用段階の環境負荷だけでなく、資源の採取から使用後の廃棄に至るまでの環境負荷も視野に入れ、総合的に判断する必要があります。そのためには、行政や事業者等から消費者に対して、事業活動や製品・サービス等に関する環境情報の適切な提供が必要です。「環境ラベル」は、このような環境情報の提供手段として、重要な役割を果たしています(表2-2-1)。



 また、環境に配慮した製品やサービスを普及促進するための手法としては、補助金のほか税制上の優遇(自動車税のグリーン化など)が挙げられます。

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