1 戦略的な地球環境の調査研究・モニタリングの推進
地球環境保全に関する調査研究については、「地球環境保全調査研究等総合推進計画」を踏まえ、政府一体となって、地球圏・生物圏国際協同研究計画(IGBP(International Geosphere-Biosphere Programme))、世界気候研究計画(WCRP(World Climate Research Programme))、地球環境変化の人間社会的側面国際研究計画(IHDP(International Human Dimensions Programme on Global Environmental Change))等の国際的な研究計画に参加・連携しつつ、地球環境研究総合推進費等により積極的に推進します。
一方、監視・観測については、国連環境計画(UNEP)における地球環境モニタリングシステム(GEMS)等の国際的モニタリング計画に参加・連携して実施します。温室効果ガス、オゾン層破壊物質等については、世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画等に基づいて引き続き定常的な観測を実施します。また、海洋についてはWMO/ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)合同海洋・海上気象専門委員会(JCOMM)の活動、全球海洋観測システム(GOOS)等の国際的な計画に引き続き参加・連携して観測を実施します。また、統合地球観測戦略(IGOS)パートナーシップにおいて全球海洋観測及び統合地球水循環強化観測期間プロジェクトが実施段階となっており、熱帯降雨観測衛星(TRMM)及び環境観測技術衛星(みどりII)の衛星データ並びに米国地球観測衛星(Aqua)のAMSR-Eによる観測データの提供を通じ積極的にこれらに貢献します。さらに、地球温暖化への対応のため、大気中の温室効果ガスの観測を目的とした衛星(GOSAT)の開発研究を平成15年度より実施します。
また、WMO温室効果ガス世界資料センターとして全世界の温室効果ガスのデータ収集・管理・提供業務を、WMO品質保証科学センターとしてアジア・南西太平洋地域における観測データの品質向上に関する業務を、さらにWMO全球大気監視較正センターとしてメタン等の観測方法などについての国際的な統一を図る業務を実施します。
また、全球気候観測システム(GCOS)等が推進する気候変動の検出、影響監視等のための総合的な観測システム構築に積極的に参加するほか、世界の地上気候データ(CLIMAT)のリアルタイム収集やその品質などを監視するCLIMATリードセンター(GSNMC)の業務をドイツ気象局と共同で実施しています。平成15年度からは、CLIMATの円滑な国際交換を一層推進するため、各国の気象局の担当者と直接連絡をとり技術的な問題点について解決を目指すGCOSデータのためのWMO基礎組織委員会(CBS)リードセンター業務を開始します。
さらに、VLBIや、GPSによる国際共同事業に参画し、グローバルな地殻変動等を観測するほか、これと験潮・絶対重力観測等を組み合わせて地球規模の海面変動の監視等を推進します。
このほか、化学物質については、アジア地域における残留性有機汚染物質(POPs)の汚染実態の把握を目的としたモニタリングの連携を推進します。