2 社会教育その他多様な場における環境教育・環境学習
(1)多様な場の環境教育・環境学習
環境教育・環境学習への多様な主体の取組の推進、体験を重視した教育・学習の場や機会の拡大を図るため、引き続き「こどもエコクラブ事業」、「子どもパークレンジャー事業」、「体験的環境学習推進事業」、「環境科学に関する環境教育推進事業」等を実施します。また、各地で取組が開始される自然再生事業において、その対象地が自然環境学習の場として活用されるよう、必要な協力に努めます。さらに、体系的なプログラムの整備を図る「環境学習支援事業」を実施し、CD-ROMの「環境学習(総合版)」を作成するほか、新たに、環境省と文部科学省との共同事業として環境教育・環境学習関連情報を収集し総合的なデータベースを整備する「環境教育・環境学習データベース総合整備事業」、学校教員及び地域の活動実践リーダーを対象に研修を行い指導者としての能力を養成する「環境教育指導者育成事業」を実施します。
さらにヨハネスブルグサミットにおいて日本政府が提案し、昨年末の国連総会で決議案が採択された「国連持続可能な開発のための教育10年」について、国連大学が行う、環境分野での活動経験やネットワークを生かした「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施のための行動原則等のコンセプト作りを支援します。
文部科学省では、関係省庁と連携して「省庁連携子ども体験型環境学習推進事業」を実施します。この事業は、地域の身近な環境をテーマにして、子どもたち自身が事業の企画段階から参加し、継続的な体験学習を行うモデル事業を通じて、子どもたちの豊かな人間性をはぐくむための体験型の環境学習の推進を図るものです。上述の「子どもパークレンジャー事業」のほか、子どもたちの体験活動の場として河川の利用を促進する「「子どもの水辺」再発見プロジェクト」、子どもたちの入門的な森林体験活動を促進する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」などの取組も、この事業の一環として、内容の一層の充実を図って実施します。
また、地方公共団体が青少年を対象に長期間の自然体験活動に取り組む事業に助成する「青少年長期自然体験活動推進事業」を実施します。
さらに、独立行政法人国立少年自然の家などの国立青少年教育施設においても、青少年の環境学習に資する事業を実施します。
このほかにも行政とNPOなどの民間団体が連携し、地域住民自らが環境問題等の課題解決に取り組む事業に対する助成を行います。
このほか、国立・国定公園等の歩道、野営場等の基幹的利用施設、高度な自然学習や自然探勝のフィールド、エコミュージアム等の整備を推進します。
また、市民参加による酸性雨の簡易測定の普及、「大気汚染防止推進月間」における各種キャンペーン、全国星空継続観察、音環境モデル都市事業等の大気環境の保全に係る普及啓発、河川における水生生物による水質調査の実施、「水辺の楽校プロジェクト」などによる身近な水辺の整備等水環境の保全に係る普及啓発を行うほか、「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」の受入体制の整備や人材の育成、学校林の整備・活用、山村地域滞在型の森林・林業体験交流活動等を推進する「森林環境教育活動の条件整備促進対策事業」、国営公園における環境学習の場の整備や自然環境の保全及び環境学習プログラムとしての「自然ガイドツアー」の実施、地方公共団体における環境ふれあい公園の整備、森林環境教育の場、市民参加や後継者育成に資する森林・林業体験の場等を整備する「教育のもり整備事業」、緑の少年団活動や親子や子どもたちによる森林ボランティア活動を促進する「国民参加の緑づくり活動推進事業」を実施します。また、「みどりの日」、「みどりの週間」を中心に、緑化推進運動、森林倶楽部、みどりの少年団の実施、自然観察会をはじめとした自然に親しむ各種活動、「自然に親しむ運動」等を通じ、環境に関する各種学習機会の提供を行います。
さらに、「環境カウンセラー事業」の充実、自然公園指導員に対する研修の実施、パークボランティアの養成、自然解説活動指導者の育成等環境保全活動に関する人材の確保・育成に努めます。またGLOBEプログラムの実施等国際的視野に立った環境教育の取組を推進します。
(2)環境研修の推進
環境研修センターでは、国及び地方公共団体等の環境行政担当職員等を対象に、各種の環境保全に係る研修を実施していますが、環境政策の動向に対応するためには、従来にも増して行政的識見の向上及び専門的知識や技術の習得等のため研修の充実強化を図ることが重要になっています。
重点課題としては、1)法制度の整備を含めた廃棄物・リサイクル行政がめまぐるしく変化している現況にかんがみ、基礎的な知識の習得を目的とした「廃棄物・リサイクル基礎研修」を、平成14年度までの年間1回から年間2回実施とし、2)平成11年度より計画的に実施している「ダイオキシン類環境モニタリング研修」における「専門課程」(水質コース、排ガスコース、土壌コース)を定員増により充実させ、3)より多くの外因性内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の分析に対応するためのGC/MSを活用したコースを新設するとともに、4)地方自治体等からのニーズが非常に多い「VOCs分析研修(水質)」を年間1回から年間2回実施とします。