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第3節 

1 地域での環境保全活動のきっかけ


 地域において環境保全の取組を進めていく場合、まず、どのようなことがきっかけになるのでしょうか。多くの場合、取組のきっかけは大きく2つのパターンに分類できます。
 一つ目は、地域においてすでに顕在化している課題に着目し、まずこれを乗り越えることから始める地域づくりというものです(「地域課題着目型」)。例えば、ゴルフ場等大規模開発問題をきっかけに里山の重要性が見直され、ナショナルトラストや環境教育などの活動につながるような場合がこれに当たります(図2-3-1)。


エコリゾート赤目の森(http://www.e-net.or.jp/user/ecoakame/

 二つ目は、より良い地域づくりのために、地域の特性、すなわち、自分たちが社会的・経済的活動を営む地域を他の地域と比較して特色を見つけ出し、これを活用することから始めるものです(「地域特性活用型」)。例えば、晴天率が高く、市街地から離れているなど、天体観測に適した条件を備えていることをきっかけに、美しい星空を保全するための活動はこれに当たります(図2-3-2)。


星の郷(岡山県美星町)(http://www.town.bisei.okayama.jp/town/

 いずれの場合においても、地域での環境保全の取組は、身近なきっかけから始まっている場合が多く、こうした身近なきっかけに気づき、それをどれだけ実際の行動につなげていくことができるのかが、地域における取組の入口になるといえます。

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