3 地域の多様性を踏まえた環境保全の展開
以上に述べてきたように、「基盤」の違いと「主体」の違いの組み合わせによって、地域の置かれている状況はそれぞれ異なります。例えば、本節1では仮に大都市、中都市、農山村と分けて地域の基盤と環境との関わりを大まかに見ましたが、もちろん日本の地域すべてをこの3つに分類できるわけではありません。同じような基盤を持った地域でも、そこで活動する主体の構成は全く異なるかもしれません。これこそ地域の個性であり地域の資源であるといえるでしょう。
地域ごとに行われる環境保全の取組は、地域によって異なるこうした自然的・社会的基盤と主体がダイナミックに関係しあって行われることになります。したがって、目指すべき地域づくりの方向性や取組の内容、進め方も、地域によって多種多様となるはずです。このように地域の個性をさまざまな主体が協力しあって有用に活用していくことで、一人では成し得なかった新たな環境保全の展開を期待できるといえます。