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第2節 

1 ヨハネスブルグサミット

 開催に向けて地域レベルから準備会合が行われたヨハネスブルグサミットでは、地球サミットの合意をさらに着実に実施していくべき旨を再確認しました。また、ヨハネスブルグサミットでは、従来の国際会議の成果物と同様に、各国政府による交渉と合意の成果として、持続可能な開発のための決意を新たにする「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」と、各国、国際機関等に対し21世紀最初の包括的な行動指針を示す「実施計画」(タイプ1文書)が採択されるとともに、タイプ2文書と呼ばれる「約束文書」が会議の成果物としてまとめられました(図序-2-1)。この「約束文書」は、タイプ1文書と異なり、各国政府の交渉や合意の結果をまとめたものではありません。国だけでなく、国際機関、地方自治体、NGO(Nongovernmental organization 非政府組織)、企業等が、パートナーシップをとって同じ立場の参加主体として関わり、それぞれ自主的に持続可能な開発のための具体的なプロジェクトの実行を自ら宣言します。約束文書はこうした宣言をとりまとめたものです。わが国からも、政府として、水、森林、生物多様性、エネルギー、教育、科学技術、保健等の分野で30件のプロジェクトを国連事務局に提出したほか、NGO、企業、地方自治体が、独自に多くのプロジェクトを提出しています。今後、これらの成果を受けて、どれだけ各主体が具体的に取組を進めていくことができるのかが重要です。



 また、わが国は会議の開催に先立ち、持続可能な開発のための日本政府の具体的な行動として「小泉構想」を発表しました。その中で、特に人づくりが重要であるとの認識に立ち、「持続可能な開発のための教育の10年」を国連が採択すべき旨を提案し、この提案は実施計画に盛り込まれています。その後この実施計画を受け、日本政府の提案により昨年12月には「国連持続可能な開発のための教育の10年」の決議が国連総会において採択されています。

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