前のページ 次のページ

第4節 

3 廃棄物の適正な処理の推進

 廃棄物処理施設の整備については、第8次廃棄物処理施設整備計画に基づき、その整備を推進していくこととしています。
 平成14年度には、廃棄物処理施設整備費予算として、1,797億円(うち合併処理浄化槽分として163億8,243万円)を計上しており、特に平成14年度においては、(イ)ダイオキシン対策が講じられたごみ焼却施設整備促進、(ロ)リサイクル関連施設の整備を推進し、循環型社会構築に向けた基盤整備を図ることとしています。

(1)一般廃棄物対策
 ごみの減量化・再生利用を推進するためのハード面の施策を推進します。具体的には、リサイクルプラザ(ごみの資源化とあわせて不用品の補修及び再生品の展示等を行う施設)及びリサイクルセンター(資源ごみとして収集された缶、びん等を選別して再生するための施設)と焼却施設等の中間処理施設とを一体的、総合的に整備するとともに、外部に電力や熱を供給する焼却施設等の整備の促進を図ります。
 また、ソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を引き続き実施します。
 さらに、製品が廃棄物となった場合における処理が困難となっているものとして廃棄物処理法に基づき指定されている廃タイヤ等の一般廃棄物の処理について、消費者が新規製品を購入する際等において販売店が廃棄物を引き取り、可能な範囲で市町村以外のシステムで処理するなど、製品の製造事業者等が市町村の処理が適正に行われることを補完するために事業者が行う協力を推進します。

(2)産業廃棄物対策
 平成12年度から新たに創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度の一層の拡充により、廃棄物処理センター等公共関与による産業廃棄物処理施設の整備促進を図ります。
 PCB特別措置法の制定及び改正環境事業団法により、環境事業団にPCB廃棄物の処理業務が追加されるなど、PCB廃棄物の処理に向けた枠組みが整備されました。
 これら、PCB関連2法の枠組みにより、環境事業団が事業主体となって拠点的な処理施設の整備を図るため、北九州、近畿地区、関東地区、東海地区、北陸地区、北海道・東北地区においておおむね5年程度を努力目標に整備を進め、その後おおむね10年で処理を終えることにより、全国のPCB廃棄物をPCB特別措置法の処理期限である15年間のうちに一掃できるよう努力することとしています。
 さらに、処理費用負担能力の小さい中小企業者が保管しているポリ塩化ビフェニルを使用した高圧トランス・コンデンサの処理に係る負担を軽減するため、環境事業団にポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金を設け、国と都道府県で造成することとしたところであり、国においては平成13年度に引き続き平成14年度も同基金を造成するための予算措置を行っているところです。

(3)広域処理場整備の推進
 近畿圏において、事業費173億円(うち国費43.6億円)で広域処理場の整備を行います。
 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図ります。また、首都圏においては、必要な広域処理場の確保に向けて、関係地方公共団体間に働きかけを行います。
 また、廃棄物埋立護岸について、事業費500億円(うち国費126億円)で全国34港及び大阪湾において整備するとともに、廃棄物処理センター等で中間処理された産業廃棄物の受入れ及び第三セクターによる護岸整備に対する支援を推進します。
 このほか、資源のリサイクルを促進するため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)として、平成14年度には石巻港、広島港等において建設発生土の受入れを実施します。

(4)廃棄物の処理における環境配慮等
 緊急の課題となっている焼却施設におけるダイオキシン類等有害物質の削減評価技術及び最終処分場の適正管理技術、また最近注目されてきた生ごみ等の有機性廃棄物の資源化技術について、研究開発等を推進します。
 また、ダイオキシン類対策特別措置法及び廃棄物処理法等に基づく廃棄物処理施設における環境対策を推進するとともに、焼却施設におけるダイオキシン類の発生メカニズム及び発生抑制技術等に関する調査研究を実施します。
 廃棄物再利用製品に係る環境指針を策定するための調査、廃棄物・リサイクルに関連する先進的技術の適用性等の調査、最終処分場におけるダイオキシン類の長期的挙動に関する調査、廃棄物により汚染された土地の修復技術に関する調査等を行います。
 産業廃棄物の最終処分場の長期的な安全性の向上、信頼性の確保を図るため、産業廃棄物最終処分場に関する各種基準や汚染防止対策について検討を行います。
 また、焼却技術の著しい発展や既存設備の有効活用のニーズに応じて、施設の技術上の基準を合理的なものとする必要があることから、焼却技術の類型を整理し、類型化された各分類ごとに技術上の基準を設定するための検討を行います。

(5)産業廃棄物の不法投棄対策
 不法投棄防止のためには、平成13年4月に全面施行した改正廃棄物処理法による規制を厳格に行い、不法投棄の撲滅に向け断固とした姿勢で臨んで行くことが必要です。不法投棄対策を総合的・多角的に進めるため、引き続き、人工衛星を活用した監視システムの開発、携帯情報端末等のITを活用した新たな監視手法の運用、都道府県等の不法投棄監視の強化への助成、産業界の自主的な拠出により造成された原状回復基金への国の補助等を行います。

前のページ 次のページ