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第4節 

1 廃棄物・リサイクルの現状

(1)一般廃棄物の現況
 わが国では、平成元年度以降毎年年間約5,000万tの一般廃棄物*が排出されています。排出量は図1-4-1のとおりここ数年横ばいの傾向が続いていますが、平成11年度は、総排出量5,145万t(平成10年度5,160万t)、国民1人1日当たり1,114g(平成10年度1,118g)となっています(図1-4-1)。

*一般廃棄物
産業廃棄物以外の廃棄物。一般廃棄物はさらに「ごみ」と「し尿」に分類される。また、「ごみ」は商店、オフィス、レストランなどの事業活動によって生じた「事業系ごみ」と一般家庭の日常生活に伴って生じた「家庭ごみ」に分類される。



 一般廃棄物については、市町村が定める処理計画に沿って処理が行われていますが、市町村が行った中間処理のうち、直接焼却された割合は78.1%(平成10年度77.9%)となっており、焼却以外の中間処理(破砕・選別による資源化、高速堆肥化等)及び再生業者等に直接搬入される量の割合は15.2%(平成10年度14.6%)と年々増加しています。最終処分量は1,087万tで、前年に比べ48万t減少しました。
 廃棄物処理施設の整備については、平成8年度を初年度とする第8次廃棄物処理施設整備計画に基づき、整備を行っています。一般廃棄物の最終処分場の残余年数は、平成11年度で全国平均12.3年となっています。

(2)産業廃棄物の現況
 全国の産業廃棄物*の総排出量については、ここ数年ほぼ横ばい傾向ですが、平成11年度は約4億t(平成10年度約4億800万t)と前年度に比べやや減少しています(図1-4-2)。種類別では汚泥、動物のふん尿、がれき類が全体の約8割を占めており、また業種別に見ると、農業、電気・ガス・熱供給・水道業、建設業がそれぞれ約20%を占めています。産業廃棄物処理業者の許可件数は年々増加しており、平成11年度末時点で16万3,360件です。

*産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油など20種類の廃棄物



 処理状況については、最終処分量は約5,000万t(平成10年度5,800万t)で、総排出量に占める割合が前年度より減少しました。
 最終処分場の残余年数については、平成11年時点で全国平均3.7年で、一般廃棄物の最終処分場以上に厳しい状況にあります。特に首都圏(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県及び山梨県)での残余年数は1.2年で、特に厳しい状況にあります。

(3)回収・再生利用の推進
 環境への負荷の低減のため、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用、再生資源の回収・利用を促進する必要があります。
 市町村による資源化と住民団体による集団回収を合わせたリサイクル率(再生利用のための回収率)は、平成11年度は13.1%(平成10年度12.1%)にとどまっており、年々上昇しているものの依然低いレベルにあります。
 個別のリサイクルの状況については、スチール缶の平成12年のリサイクル率は84.2%(平成11年82.9%)、アルミ缶の平成12年度のリサイクル率は80.6%(平成11年度78.5%)とそれぞれ増加してきています。また、ガラスびんについては、平成12年のガラスびんの生産量は182.0万tであり、そのうち原料として使用されたカレット(使用済びんを細かく砕いたもの)の量は141.6万tで、カレット利用率は77.8%となっており、カレット利用率は増加傾向にあります。平成12年の古紙の利用率は57.0%で、わずかながらも増加傾向にあります。
 ペットボトルのリサイクルについては、2,000を超える地方公共団体で分別収集が始まっており、また、平成8年度の回収率2.9%に対し、年々回収率が向上しており、平成12年度には34.5%となっています(図1-4-3)。

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