7 生物多様性の保全
「生物の多様性に関する条約」については、「生物多様性国家戦略*」に基づき、生物多様性の保全とその構成要素の持続的な利用に関する施策を推進するとともに、同戦略に係る施策の進捗状況の点検を行いました。
ワシントン条約*については、2000年(平成12年)4月に第11回締約国会議が開催され、ヘイワインコ等を新たに条約の附属書Iに掲載するなどの改正を行いました。これを受けて、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令を改正し、条約の附属書?掲載種の国内流通の管理の適正化を図りました。
ラムサール条約*については、アジア地域における重要湿地目録の作成のための協力等を通じ、条約の履行の推進を行ったほか、アジア諸国の条約への加入推進に努めました。
アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国及び韓国との間でそれぞれ締結されている二国間の渡り鳥等保護条約(協定)等については、日米渡り鳥等保護条約に基づくプロジェクトとして、ハマシギの渡りルート解明等に関する共同調査等を実施しました。
サンゴ礁の保全については、国際的枠組みである国際サンゴ礁イニシアティブを推進するとともに、東アジア海地域におけるサンゴ礁に関する情報等の拠点となる「国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター」を沖縄県石垣市において開館し、サンゴ礁に関するモニタリング・情報収集を開始する等、地球規模のサンゴ礁モニタリングネットワークの推進に積極的な役割を果たしました。
このほかの国際的な取組としては、開発途上国等における生物多様性保全の取組を支援することを目的として、JICAによるインドネシア生物多様性保全計画プロジェクト等が実施されています。
*生物多様性国家戦略
平成7年10月に地球環境保全に関する関係閣僚会議において決定したわが国の同条約実施の基本方針及び施策の展開方向を示すもの
*ワシントン条約
一部の野生動植物種が野放図な国際取引によって絶滅の危機にある事態を憂慮し、これを規制する目的で1973年(昭和48年)にワシントンで採択され、1975年(昭和50年)に発効した国際条約で、正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」という。日本は1980年(昭和55年)に加盟し、同年11月に発効した。
*ラムサール条約
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」国際的に重要な湿地の保全と適正な利用を進めることを目的として、1971年(昭和46年)に作成署名、1975年(昭和50年)に発効し、日本は1980年(昭和55年)に加入した。