2 適正な技術の振興
「持続可能な開発」の推進のため、汚染物質等の直接的な処理技術はもとより、資源、エネルギーの効率的利用のための技術等、地球環境の変化を緩和するための技術開発が必要です。また、特定の地球環境問題の解決のための技術が他の環境問題を起こさないよう配慮するとともに、開発途上国の自然的・社会的条件に適した技術の開発を推進する必要があります。
このような観点から、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨等国際的に対応が必要になっている分野において技術開発を推進するとともに、技術開発体制の整備、充実を図りました(表4-5-3)。
今日の環境問題の多くは、現代の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会のあり方に根ざしており、地球温暖化問題、生物多様性の減少、廃棄物問題、環境ホルモン問題などにみられるように、これまでにも増して多様化・複雑化しています。このような環境問題の解決に向け、将来を見通した研究や新たな技術開発を重点的・効率的に実施していくことが一層必要となっています。
このような状況の下、環境問題の解決のための研究及び技術開発を総合的・計画的に推進していくため、「環境研究技術基本計画」が平成10年10月に策定されました。同計画では、環境保全施策を推進していくために今後実施すべき環境研究・環境技術開発の基本的方向と今後取り組むべき重点課題を整理した上で、環境研究技術の各課題の特質をとらえ、それらのタイプに応じた的確な制度の構築と運用を図るべきこと等を提言しています。
環境省では、地方公共団体の環境測定分析機関等を対象として、各分析機関における環境測定分析技術の向上を図る契機とするとともに環境測定分析の信頼性の確保に資する観点から、環境測定分析統一精度管理調査を実施しました。
平成12年度は、水質試料中のアンチモン、ニッケル、水銀、カドミウムの金属類とスチレン(2量体、3量体)、エストラジオール類について、また、底質試料及び標準液試料中のダイオキシン類について調査を実施しました。