4 調査研究等の推進

　生物多様性センターにおいて、我が国における自然環境の現況及び改変状況を把握し、自然環境保全の施策推進に必要な基礎資料を整備するため、第6回自然環境保全基礎調査、生物多様性の保全に必要とされる科学的・客観的な基礎資料を得ることを目的とした生物多様性調査及び海域の生態系や海洋生物の現状を把握し、保全すべき沿岸域の抽出や適切な保全・整備の推進等に資することを目的とした海域自然環境保全基礎調査を引き続き実施する。
　また、自然環境や生物多様性に関する情報を収集・管理・提供する「生物多様性情報システム」により情報提供等の業務を行う。
　絶滅のおそれのある野生動植物について生息・生育状況を把握するため、レッドデータブック掲載種のモニタリング調査や国内希少野生動植物種の現状調査を実施する。また、動物版レッドデータブックの改訂のための情報収集・解析を進めるとともに、植物版レッドデータブックの作成作業を進める。
　また、近年、マングース等の移入種により、在来の希少種が捕食されるなどの地域固有の生態系への壊滅的な影響が懸念されている。そのため、全国的な移入種の生息状況の動向・在来希少種への影響等を踏まえ、移入種問題への対応の基本的な方向を検討し、対応指針を策定するとともに、移入種による影響が大きく、駆除の緊急性の高い鹿児島県奄美大島において、本格的な駆除事業を実施するとともに、移入種の減少や希少野生動植物種等への影響の軽減状況をモニタリングする。
　また、自然環境に配慮した河川管理の取組の一つとして、岐阜県の木曽川三派川地区に設置した世界最大規模の実験河川を有する自然共生研究センターにおいて、河川湖沼の自然環境保全・復元のための基礎的・応用的研究を行う。
　さらに、野生生物保護思想の普及啓発を図るため、愛鳥週間行事の一環として「全国野鳥保護のつどい」を山形県で実施するほか、小・中学校及び高等学校等を対象とした「全国野生生物保護実績発表大会」等を開催する。