前のページ 次のページ

第2節 

4 調査研究等の推進

 全国的な観点からわが国における自然環境の現況及び改変状況を把握し、自然環境保全の施策を推進するための基礎資料を整備するため、第6回自然環境保全基礎調査を開始し、全国の植生の現状を把握する「植生調査」を実施した。
 生物多様性保全の観点から、種の分布現況の全体像を把握する「種の多様性調査」、重要な生態系が成立している地域を総合的に把握する「生態系多様性地域調査」、「遺伝的多様性調査」からなる「生物多様性調査」及び海域の生態系や海洋生物の現状把握を目的として「重要沿岸域生物調査」「海棲動物調査」からなる「海域自然環境保全基礎調査」を引き続き実施した。
 絶滅のおそれのある野生動植物については、生息・生育状況を把握するため、レッドデータブック掲載種を対象に地域の専門家や学会の協力を得て、生息・生育状況のモニタリングを実施した。また、動物版レッドデータブック改訂のための情報収集・解析を行うとともに、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、汽水・淡水魚類、植物についてそれぞれレッドリストを公表し、引き続きレッドデータブックの改訂・作成作業を進めた。
 また、島しょ地域の生態系に影響を及ぼすおそれのあるマングース等の移入種を駆除・制御するためのモデル事業を実施した。
 さらに、野生生物保護思想の普及啓発を推進するため、愛鳥週間行事の一環として香川県において第53回「全国野鳥保護のつどい」を開催したほか、愛鳥モデル校を中心に行われている野生生物保護の実践活動を発表する「全国野生生物保護実績発表大会」等を開催した。
 生物の生息生育環境に配慮した川づくりに関する調査研究を行うため、平成10年11月に世界最大規模の実験河川を有する自然共生研究センターを岐阜県の木曽川三派川地区に設置した。

前のページ 次のページ