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第4節 

3 廃棄物の適正な処理の推進

(1) 処理施設の確保
 廃棄物処理施設の整備については、第8次廃棄物処理施設整備計画に基づき、その整備を推進していくこととしている。
? 平成11年度には、し尿処理施設関係事業として、汚泥再生処理センター109億8,627万円、コミュニティ・プラント14億6,056万円、生活排水処理施設1億1,763万円など145億4,548万円を計上している。また、合併浄化槽設置整備事業として148億9,762万円、特定地域生活排水処理事業として15億8,390万円を計上し、合併処理浄化槽の整備を推進する。
? ごみ処理施設関係事業としては、ごみ処理施設598億6,976万円、ごみ燃料化施設25億1,756万円、粗大ごみ処理施設82億2,770万円、埋立処分地施設190億5,412万円、廃棄物運搬中継・中間処理施設5億751万円など1,313億2,466万円を計上し、特に平成11年度においては、ダイオキシン対策のため、(イ)ダイオキシン類早期削減のためのごみ焼却施設整備に対する財政支援の充実、(ロ)最終処分場に対する補助制度の拡充、(ハ)ごみ焼却施設から排出される灰の広域的・効率的な処理の推進を図る。また、民間の資金、経営能力及び技術力を活用するいわゆるPFI手法による施設の整備を推進する。
? 近畿圏において、事業費173億3,613万円(うち国費43億4,851万円、厚生省及び運輸省)で広域処理場の整備を行う。
 ごみの減量化・再生利用を推進するためのハード面の施策として、廃棄物循環型処理を推進する。具体的には、リサイクルプラザ(ごみの資源化と併せて不用品の補修及び再生品の展示等を行う施設)及びリサイクルセンター(資源ごみとして収集された缶、びん等を選別して再生するための施設)と焼却施設等の中間処理施設とを一体的、総合的に整備するとともに、外部に電力や熱を供給する焼却施設等の整備の促進をはかる。
 またソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を引き続き実施する。
 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図ることとしている。また、首都圏においては、広域処理場整備に関する調査を行うとともに、必要な広域処理場の確保に向けて、関係地方公共団体間に働きかけを行う。さらに、最終処分場の延命化を図る上で有効な焼却灰等の溶融資源化施設を広域的・計画的に整備するための事業を推進する。
 厚生省国立公衆衛生院において、特に、緊急の課題となっている焼却施設におけるダイオキシン類等有害物質の削減評価技術及び最終処分場の適正管理技術の研究開発等を推進する。
 運輸省では、事業費567億5,084万円(うち国費130億2,870万円)で廃棄物埋立護岸を41港及び大阪湾において整備する。
 また、事業費1億9,000万円(うち国費9,500万円)で千葉港における廃油処理施設の改良を実施するとともに、ダイオキシン類排出規制に対応すべく海洋性廃棄物処理施設(焼却施設)の改良を4港において行う。
 さらに、資源のリサイクルを促進するため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)として、平成11年度には石巻港、三河港、広島港、呉港において建設発生土の受け入れを実施する。
 水産庁においては、不要となったFRP漁船等漁業系廃棄物の計画的かつ適正な処理を促進するための技術開発調査を実施する。
(2) 市町村と事業者の協力
 事業者において、製品が廃棄物となった場合における処理が困難となっているものとして廃棄物処理法に基づき指定されている廃タイヤ等の一般廃棄物の処理について、消費者が新規製品を購入する際等において販売店が廃棄物を引き取り、可能な範囲で市町村以外のシステムで処理するなど製品の製造事業者等が市町村の処理が適正に行われることを補完するために行う協力を推進する。
(3) 廃棄物処理における環境配慮等
 廃棄物・リサイクルに関する新技術の環境安全性等の調査、野積みされている廃自動車等による環境影響に係る調査、最終処分基準への未規制物質追加の検討のための調査、最終処分場におけるダイオキシン類排出実態調査等を行う。
 また、平成9年度の廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出削減対策としての廃棄物焼却施設の構造基準の強化、処理基準の明確化等、平成10年度の廃棄物最終処分場の構造・維持管理基準の強化・明確化等を踏まえ、法に基づく指導監督を強化する。さらに、市町村のごみ焼却施設の集約化を図るとともに、ダイオキシン類の発生メカニズム及び発生抑制技術に関する調査研究を実施する。

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