4 環境研修の推進
(1) 環境研修の実施
環境政策の新たな展開に対応し、環境行政を効果的に進めていくためには、国及び地方公共団体等の環境行政担当職員等の資質、能力の向上を図ることが重要な課題である。
このため、環境庁では、環境研修センターにおいて国及び地方公共団体の職員等を対象に各種の環境保全に関する研修を実施している。
平成10年度においては、新たに国際環境協力の専門家に必要な知識の習得等を図るため「国際環境協力専門家育成研修」のコースを開設するとともに、環境影響評価の実施等に必要な知識の習得を図るため「環境影響評価研修」のコースを開設するなど研修内容等の充実強化を行った。平成10年度に実施した研修は、行政関係研修24コース及び分析関係研修9コースの合計33コースであり、1,274名(行政関係1,045 名、分析関係229名)が研修を修了した。
平成10年度末までの研修修了者は延べ28,391名(うち行政関係は23,170名、分析関係は5,221名)に及んでいる。
研修に参加する研修員の所属機関別の研修修了者の割合は国が約2割、地方公共団体が8割弱等となっている。
(2) 環境研修の支援等
近年、地球環境問題に対する関心の高まりや環境政策の対象領域の拡大等を背景として、地方公共団体における研修業務の急増が見られる。このため、環境研修センターは地方公共団体の行う環境研修に必要な情報の提供等の支援等を行うためデータベースの整備等を進めている。
(3) 国際環境協力研修の実施体制の整備
近年、途上国等に対する人的面の環境協力を積極的に推進することが求められているが、実際のニーズに応えられる人材が不足している。このため環境庁では、国際環境協力に携わる人材の養成等を図るため、環境研修センターにおいて国際環境協力に関する研修の実施体制の整備を進めている。環境研修センターでは、国際研修棟を平成9年10月に開所するとともに、国際環境協力研修のあり方等について、専門家に委嘱して検討した結果を平成10年8月にとりまとめを行った。国際環境協力研修は、平成9年度開設の「国際環境協力入門研修」に引き続き、平成10年度より「国際環境協力専門家育成研修」を開設した。
(4) ダイオキシン類分析研修体制の整備
ダイオキシン類の全国的な環境モニタリング体制の整備を図るためには、ダイオキシン類の分析技術を持った専門家が必要であることから、環境研修センターでは、ダイオキシン類の測定分析の専門家の養成を目的とする研修を実施するため、平成10年度補正予算で、ダイオキシン類分析研修施設の整備を行っている。
なお、本施設を整備するに際し、関連分野の専門家に委嘱し、同施設の整備方針、ケミカルハザード防止対策の内容及び施設の運用にあたっての安全管理体制等について検討した結果を、平成10年12月に取りまとめた。