今日の環境問題の多くは、私たちの通常の社会経済活動に起因している。そして、環境の悪化の影響は地球環境や将来の世代まで及ぶ。自動車交通等に起因する窒素酸化物や浮遊粒子状物質による都市の大気汚染、化石燃料消費に伴う二酸化炭素の排出量の増大や、それに起因する地球温暖化、生活排水等に起因する閉鎖性水域等の水質汚濁、生活の多様化による廃棄物の増大等は、こうした現代の環境問題の典型である。
本章では、平成6年12月に閣議決定された環境基本計画で掲げられた長期的目標の「循環」及び「共生」に照らしつつ、それぞれに関する現状を分野ごとに見ていく。