大気汚染対策については、平成8年5月に改正された大気汚染防止法の平成9年4月からの施行を踏まえ、低濃度長期暴露による健康影響が懸念されるベンゼン等の有害大気汚染物質対策、二輪車等に関する排出ガス対策及び建築物の解体等に伴う石綿(アスベスト)飛散防止対策を推進した。また、ダイオキシン類については、平成9年8月に、大気汚染防止法の指定物質に指定する等の排出抑制対策を講じた。また平成9年からのディーゼル車排出ガス規制の強化に合わせ、平成9年3月に自動車燃料品質に関する許容限度の改正を行った。悪臭防止対策については、悪臭防止法に基づき、引き続き人の嗅覚を活用した臭気指数規制等を実施した。騒音については、騒音規制法施行令を改正し、騒音規制の対象となる特定施設及び特定建設作業を追加した。また、小型車の一部及び定員6人超の乗用車に係る騒音規制を平成11年から強化するため、平成9年12月に自動車騒音の大きさの許容限度の改正を行った。振動対策については、従来からの工場等に係る規制を引き続き実施した。さらに、オゾン層保護対策としては、CFC等のオゾン層破壊物質の生産等の規制を引き続き実施した。
水質汚濁対策については、「湖沼水質保全特別措置法」に基づく施策を含めた総合的計画的な湖沼水質保全対策や東京湾、伊勢湾、瀬戸内海に係る総量規制の円滑な実施等の総合的な対策を推進するとともに、海域における富栄養化対策の一層の推進を図るため、窒素・リンに係る環境基準の類型指定等を行った。また、地下水の保全を推進するため、平成9年3月には、地下水の水質汚濁に係る環境基準を新たに設定するとともに、4月には汚染された地下水の浄化制度を盛り込んだ改正水質汚濁防止法が施行された。
さらに、自然環境の保全については、「自然環境保全法」、「自然公園法」等に基づく自然環境の特性に応じた施策の一層の推進を図るとともに、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」等に基づく野生生物の保護対策等を総合的に推進した。