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第4章 環境の現状

 今日の環境問題の多くは、大量生産・大量消費・大量廃棄を続ける現在の私たちの通常の社会経済活動による環境への負荷の増大に起因している。そして、その影響は地球環境や将来の世代にまで及ぶような状況となってきている。工場での燃料消費による二酸化硫黄の排出量及び大気中濃度は、昭和40年代前半をピークにその後著しく低下したが、他方、自動車交通等に起因する窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質による都市の大気汚染、化石燃料消費増大に伴う二酸化炭素の排出量の増大及びそれに起因する地球温暖化、生活排水等に起因する閉鎖性水域等の水質汚濁、生活の多様化による廃棄物の増大などは、こうした状況を示している。
 本章では、平成6年12月に閣議決定された環境基本計画で掲げられた長期的目標の「循環」及び「共生」について、それぞれに関する問題を分野ごとに具体的に見ていくこととする。また、「循環」と「共生」を実現するための「参加」と「国際的取組」も環境基本計画の中で、長期的課題として掲げられている。「参加」については第3章第2節及び各論第3章を、また、「国際的取組」については第3章第2節及び各論第5章を参照願いたい。

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