3 持続可能な経済社会システムを構築するための方策
これまで見たように、今日の我々の社会経済活動は、多大な資源を消費し、環境に大きな負荷を与えながら営まれているものであり、我々の活動の基盤である環境を守り、21世紀においても持続的に経済社会を発展させていくためには、良好な環境の質を損なう量や質の物質の環境中への排出を可能な限り抑制するようなモノの利用の在り方を模索していかなければならない。このような我々のモノの利用が環境に及ぼす影響は、廃棄物の排出によるものだけに限られず、製品等のライフサイクル全体を通じて評価されることが必要である。したがって、「揺りかごから墓場まで」の考え方に基づいて、原料採取、製造、流通、消費、廃棄等の物のライフサイクルの各段階における環境への負荷を総体として低減するための取組が求められる。
このためには、環境基本計画において長期的な目標とされている「環境への負荷が少ない循環を基調とする経済社会システムの実現」を図っていくことが必要であり、具体的には、?資源の消費抑制、?資源の採取に伴う環境への負荷の低減、?原材料から製品等を製造する過程でのエネルギー消費や汚染物質の排出の低減、?原材料・製品等の輸送におけるエネルギー消費や汚染物質の排出の低減、?製品等の消費段階でのエネルギー消費や汚染物質の排出の低減、?廃棄物の発生抑制や減量化、?廃棄物・汚染物質の処理に伴うエネルギー消費や汚染物質の排出の低減――といった取組が求められる。
モノの利用に伴う環境への負荷を総合的に低減していくためには、こうした広範な取組が必要であるが、その中でも特に大きな役割を果たすものと考えられる廃棄物・リサイクル対策と環境汚染物質の管理を中心に、次節209/sb1.2.2>以下でその取組の在り方について考えてみたい。