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第1章 地球温暖化問題にどう取り組むか

 現在、人類は様々な環境問題に直面しているが、その予想される影響の大きさや深刻さ、また必要となる対策の幅広さ(さらにはそれゆえの対策の難しさ)という点で、地球温暖化問題は最大の環境問題の一つと言える。この地球温暖化問題についての人類の今後の取組が決定される気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3;地球温暖化防止京都会議)が本年12月、我が国の古都、京都で開催される。我が国は、地球社会の一員として、そして、人類の将来を左右すると言っても過言ではない地球温暖化防止京都会議の開催国として、この問題について世界に先駆けて率先的な取組をしていく必要がある。
 このような状況を踏まえ、本章では、地球温暖化問題に関する国民の認識が深まり、国民全体によって積極的な取組がなされるよう、まず第1節では、地球温暖化の議論の始まりから国際的な合意形成の過程までの歴史を概観しつつ、地球温暖化のメカニズムや影響について描く。次に第2節では、世界全体と我が国における温室効果ガスの排出状況を見た後、これを適切に踏まえた対策の基本的な方向と各部門ごとに推進して行くべき排出抑制対策について論じる。最後に第3節においては、対策を実効あるものとするために必要な規制的措置、経済的措置、民間の自主的な取組を促進するための措置、さらには国際協力などの様々な政策について今後の展開の方向を考える。

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